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エヴァンスの商売物語~黎明~  作者: 橘 六六六
二章、始まる異世界商売
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【10】フランティア公国マリシア領




 フランティア公国のマリシア領は漁業が盛んであるが。潮風の影響で農業はそこそこといった程度で小麦粉は需要がある事をエリナに聞いていた。


 ぼくは屋台へ小麦粉とワルキュリアを残して市の露店を見て回り。小さめの麻袋を6枚を銅貨5枚で買い、トルポに秤を借りて60㎏の小麦粉を10㎏ずつに分けて。一袋を銀貨2枚で売り始めた。


 小さくする事と。最低購入額を下げる事で小麦粉は商人では無く、一般人の客に売れ。6袋は昼前に売れてしまった。これで麻袋の代金を引いて屋台の使用料を引いても銀貨3枚と銅貨15枚の利益である。持ち金を数えると23枚と銅貨22枚であった。


 ぼくは屋台を片付けてトルポに挨拶をすると。トルポは


「ジダンの紹介だ。坊主また来たら俺に言いな。」


と頭に巻いた手拭いを外して、ぼく達を見送ってくれた。ぼくはそれからワルキュリアと屋台を廻った。屋台には魚のすり身を、薄いパンで巻いて揚げた物が並べられて香ばしい匂いを漂わせている。それを見ていると


「グー。ぎゅるるるる。グー。」


とワルキュリアがお腹を鳴らして、ぼくを見ている。ぼくはそんなワルキュリアを見てお昼である事を思い出し。銅貨4枚で2つ買いワルキュリアとお昼ご飯代りに食べながら歩いた。


 これはハトスと言う食べ物らしく。ドルトリアの料理と違い塩気が効いていて。温かくサクサクとした歯応えの中にカマボコの様な魚のすり身が柔らかく美味しかった。この味にワルキュリアも満足で


「エヴァンス様。やはり美味しい物は売れますよ! 」


と上機嫌に言った。ぼくはその言葉にハッとしてワルキュリアに答えた。


「違うよ。美味しそうだから買ったんだ! 食べるまで美味しいかなんて判んないから。」


その言葉にワルキュリアも納得し。二人で屋台を廻り。ぼくは


「逆に美味しい物を売る時は味を知って貰うために試食とかやってたんだな。」


なんてぶつぶつと一人言を言いながら見ていると。魚油が並ぶ屋台を見付け1瓶が銅貨6枚で売られていた。ドルトリアでは銅貨10枚で売れ。利益率4割は美味しい物であるが、輸送手段として大量に運べないぼく達には不利な商材であった。


 そこに塩が30㎏を銀貨5枚で売られており。ぼくはそれを60㎏買い。隣で売っていた魚の干物1枚が銅貨2枚で売られていたので50枚を銀貨3枚にまけてもらい。馬車乗り場に戻る事にした。


 そして夕方になると約束通りにフロイツが現れ。馬車を2台借りており。1台は大量の魚油を乗せており。そちらにぼく達の荷物とワルキュリアを乗せると。ぼくとフロイツはもう1台の馬車へと乗りドルトリアへと帰った。





エヴァンス(10才)


銀貨10枚


銅貨18枚


木綿の服×2

柔らかい靴×1

青い布×1

皮の袋×1

紙×10

ペン×1

インク×1

白いシャツ×1

紺色のジャケット×1

塩×60㎏

魚の干物×50枚


【人脈】


露店商人の男 ジダン

露店商人の男 トルポ

宿屋の娘 エリナ

宿屋の親父 ガルボ

世界最強女戦士 ワルキュリア




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