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エヴァンスの商売物語~黎明~  作者: 橘 六六六
二章、始まる異世界商売
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【9】商人フロイツとの出会い




 街道を馬車でフランティアへ進み。街道の近くまで魔獣が近寄る事は有ったが。噂通りに魔獣達はワルキュリアの姿を見るや、馬車には近寄らず立ち去り。約束通り騎手もフロイツの前でワルキュリアをベタ褒めしてくれ。


 フロイツもご満悦な上に予定よりも、ぼく達はフランティア公国のマリシア領へ到着した。ぼくは上々の事態に安堵しワルキュリアとハイタッチを交わした。


 その時にフロイツは、ぼくとワルキュリアに近付いて


「時にエヴァンス君。君は『私が成り上がりの金持ちだから、護衛の依頼を受領してくれる』と思いませんでしたか?事実そうなので構いはしないが。しかし、私が君達に護衛を依頼したのは。君達が小麦粉の大袋を持っていたからです。」


そうフロイツに言われて。ぼくは図星の照れ隠しに頭を掻いた。そしてフロイツは続けて


「今から大切な事を私は話します。小麦粉の輸送を馬車の護衛と掛け合わせる事で、君達は輸送費を節約する事が出来て居ます。良い着眼点です。そして帰りにもマリシア領の物資を何か運ぶのでしょう。駆け出しの商人として大いに期待が持てたので、私は君達に護衛を依頼しました。商人が増えれば、商いが増え人が増えます。そうすれば更に商人には儲けのチャンスが増えます。つまり君達に期待しているのです。」


ぼくはフロイツのその言葉に頭を下げて


「恐れ入りますフロイツ様。安直な発想を見抜かれてお恥ずかしい限りです。」


そう言うと。フロイツは口髭を擦りながら


「少年がその着想に至るのは立派な物です。そこで君に1つ質問をして置きましょう。『美味しい物が売れる物ですか?』夕方に私はドルトリア王国に戻りますので帰りの護衛もお願いしますよ。」


そう言いながらフロイツは、ぼくに銀貨を2枚渡すとステッキをクルクル回して。軽やかにぼく達の前を立ち去って行った。ワルキュリアはぼくの顔を見て


「美味しい物は売れますよね?」


と訊いてきた。ぼくはそうだと思いながらも府に落ちずにいたが。小麦粉を捌く時間とこちらでの買い付けの時間を考えると、然程余裕は無いので足早に市へと向かった。





 ―――マリシア領の海沿いに並ぶ屋台へと辿り着いたぼく達は露店商のジダンに紹介されたトルポと言う露店商を訪ねた。


 トルポにぼくはジダンからの手紙を渡すと。トルポは


「ジダンの頼みなら仕方ねぇな。」


と、ぼくの肩を叩き屋台の1つを銅貨10枚で昼過ぎまで貸してくれた。トルポは体格が良く大柄で人柄も柔らかく、ぼく達を快く案内してくれた。



エヴァンス(10才)


銀貨11枚


銅貨27枚


木綿の服×2

柔らかい靴×1

青い布×1

皮の袋×1

紙×10

ペン×1

インク×1

白いシャツ×1

紺色のジャケット×1

小麦粉×60㎏


【人脈】


露店商人の男 ジダン

宿屋の娘 エリナ

宿屋の親父 ガルボ

世界最強女戦士 ワルキュリア



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