第69話 突撃!カタギリさん家の大食堂!
酔っ払ってる上に途中で下書きが消えて萎え萎えです。
後で直しますので、文章おかしかったらごめんなさい……。
モーゼのように集まった冒険者達の波をかき分けながら、カタギリに連れられた俺達はギルドを抜け出した。
その間も、妬みと怒りと憎悪が籠もった熱い視線を送られていて冷や汗が止まらない。
今日の帰り道には気を付けよう……。うっかり刺されかねない勢いだ。
「元々、兄ちゃん達を家に呼ぶつもりで、ギルドで待ってたんだ。上級魔導士の姉ちゃんがいねえが、一緒じゃねえのか?」
のしのしという擬音がぴったりな様子で、カタギリが俺達の前を歩きながらそう尋ねてくる。
「クロエは里帰りしてて、いつ帰ってくるやら……」
クロエは、シュタイナーとその一派によって滅ぼされた自分の故郷へと帰っている。
獄王の刃の残党が潜んでいる可能性も否定できないので、俺達も着いて行こうかと思ったのだが、今は一人でいたい気分だろうということで旅断つクロエを見送ったのだった。
「ううむ、それなら仕方ねえな……。嬢ちゃんはまたの機会にして、兄ちゃん達だけでも寛いで行ってくれや」
カタギリは少し残念そうな表情をしたと思うと、そのままずんずんと歩いていく。
このまま進んでもギルド本部しか無かった筈だが、一体どこに向かっているのだろうか。
「あのー、カタギリさん?一度ギルド本部に向かうんですか?
「んん?何度も言うようだが、今から向かうのは俺の家だぞ?」
俺の問い掛けに、カタギリは目を丸くしてそう言った。
と言われても、俺の目に映るのは相変わらず馬鹿デカいギルド本部と、それよりは少し小さい同じく城のような建物だけだ。
一番大きなギルド本部を中心に、それを囲むようにいくつもそんな建物があるが、あれは財政省や軍事省なんかの、ギルドの各部門の建物ではなかったのだろうか。
「おっと、そうこう言っている間に家に着いたぞ。やっぱり、歩くと結構距離があるなぁ!」
「まさか、これがカタギリさんの家……?」
「おいおい、冗談だろ……」
そう言ったカタギリが立ち止まったのは、俺がギルドの一部だと思っていた城の一つだった。
古風で武骨な石造りの城だが、それがかえって威厳とカタギリらしさを醸し出している。
「ああ、まぁ驚くのもしょうがねえわなぁ。俺も、ギルドから渡されたこの家を始めてみた時は、馬鹿じゃねえかと思ったもんよ!」
うんうんと頷きながら、カタギリさんが俺達にそう答える。
こんな家、日本円で言えば何百億としそうなレベルだ。
本部と比べれば勿論規模は小さくなるのだが、それでも十二分に巨大なカタギリの家を眺めていると少し眩暈がする。
「「旦那様、お帰りなさいませッ!今、城門を開きますッ!」」
カタギリが帰ったのを確認した門番達が、金属製の大きな門を開き始める。
規模だけで言えば、グスタの街の入り口にある門とそう変わらないのではないだろうか。
それにしても、さっき城門って言ったよ、この門番達……。
「うわぁ、もう理解が追い付かない……」
「ああ、あの遠くに見える石造りの城が家だろ……?」
大きな門が開いて俺達が見た光景は、まんまRPGに出てくる王城のような風景だった。
奇麗に補装された石畳の左右には切り揃えられた低木の植木が並び、遥か先にあるカタギリの家という名の城まで真っすぐに続いている。
広大な庭の中には、しっかり整備され季節の花々が咲き誇る庭園や噴水のある広場、挙句の果てには小川まであるのだから驚きだ。
「こう言うのは趣味じゃねえんだがなぁ……。カミさんがどうしてもなんて言って整備させたんだ。この庭の管理だけで庭師を20人近く雇っているから、金がかかるったらねえぜ」
「生活の次元が違い過ぎて理解が出来ない……」
「まぁ、なってったって伝説の大戦士だからな……」
いつもは冷静なマークも流石に飽きれ気味だ。
それにしても、意外なことにカタギリさんは既婚者だったのか。
もしかすると、子どもがいたりするのだろうか。
「とりあえず、家の正面玄関までしばらく歩くが辛抱してくれや!」
呆気に取られながらも、そう言って先を行くカタギリの少し後を着いて行くのだった。
門をくぐったと言うのに、目的地はまだまだ先のようだ……。
◆◆◆
玄関を入ってすぐの、豪華なシャンデリアが目立つ超高級ホテルのようなロビーを抜け、俺達が案内されたのはこれまた大きな食堂だった。
広さだけで言えば、対策協議会の行われている本部の会議室と遜色ないだろう。
「おう、とりあえず食いながら話そうや!もう少しすれば、兄ちゃん達に会わせたい奴も来るだろうよ!」
大食堂のテーブルに並べられた豪勢な料理に、俺は思わず圧倒される。
瑞々しい野菜に肉汁溢れる肉料理、皮まで香ばしく焼かれた魚料理に、見るだけで高価だと分かる酒の数々。
どの料理も、これまでの人生で食べた中で最高のレベルだ。
ところで、ビュッフェとバイキングって何が違うんだろう。庶民育ちの俺には分からない。
用意された皿に、目に付いたものをひたすら乗っけていく。
少し意地汚い気もするが、バイキングってこういうもんだよね。
というか、豚の丸焼きとか初めて見たぞ……。
「随分がっつくな、ヨシヒロ……」
「おう、バンバン食ってくれや!良い食いっぷりじゃねえか!」
マークはやや飽きれ気味に、カタギリは食べるのを促すように声を上げた。
「……もふぁっ!めちゃくちゃ美味しいです!」
モゴモゴと料理を貪りながら、俺はカタギリにそう答える。
残すと勿体ないと思って皿に盛ったが、比喩抜きで予想の百倍くらい旨くて箸が止まらない。
そう言えば、この食堂にいるのは、シェフや執事のような人達を除けば、カタギリと俺達の合わせて三人だけだ。
カタギリの言う俺達に会わせたい奴という人物が後から来るにしても、いかんせん料理の量が多過ぎないだろうか。
―――コンコン、コン!
そんなこんなで食事を進めていると、食堂にノックの音が響いた。
誰かと思ったが、恐らくはカタギリが俺達に会わせたいという人物だろう。
「父上にお客人、お待たせしました!お食事中、失礼致します!」
「おう、エリカ!やっと来たか!」
扉を開けて現れたのは、キッと釣り上がった目が特徴的な少女だった。
カタギリと同じく赤毛の髪は短く切り揃えられているが、しっかり手入れをされている髪は美しさすら感じさせた。
「紹介しよう!こいつが俺の娘、エリカ・ロックウェルだ!」
「「うぇえええええっ!?」」
血縁関係を疑う程に似ていないロックウェル親子を見て、俺達は同時に驚愕の声を上げる。
一応、赤毛という共通点はあるが、筋骨隆々のカタギリと、華奢なお嬢様と言った風貌のエリカでは、天と地程の差があるだろう。
「父上はいつも唐突すぎますわ!急に呼び出されては、時間も掛かります!」
エリカと呼ばれた少女も、俺達と同じく急に呼び出しを受けたらしい。
「ああ、すまんすまん!この二人がお前の冒険を手伝う、歩く死体のヨシヒロ・サトウと、銀の疾風マーク・マルティネスだ!」
「ほう、この方達が……」
カタギリの言葉に、エリカは値踏みするように俺達をじっと見つめた。
そして、少し目を瞑って思案したかと思うと、衝撃的な発言を繰り出した。
「それでは、2人のうちどちらかと決闘をしましょう。それで私が納得出来れば、私の旅の共としますわ!」
「「はぁっ……!?」
俺とマークは同時にそんな声を上げた。
突如として現れたカタギリの娘、告げられる冒険の手伝いという発言、そしてエリカの口から最後に飛び出した、決闘の二文字。
俺達は、二転三転どころじゃない話の移り変わりに、既に取り残されていた。
「さぁ、どちらでも良いですわ!掛かってきなさい!」
「おう、いいぞ!まぁ、兄ちゃん達なら大丈夫だろうよ!」
エリカの勇ましい声が食堂に響き、呆気に取られた俺達を置いて話が進んでいく。
(この親子、全く話を聞かない……!)
かくして、俺達2人と、カタギリの娘であるエリカ・ロックウェルの決闘が勝手に決められたのであった。
次回は、できれば明日投稿します。
無理だったら日付変わる頃かと……。




