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社畜・イン・ファンタジー ~異世界ブラック冒険譚~  作者: 揚げたてアジフライ
第三章 新たなる出会い
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第52話 クロエの実力

PV1万件、ユニークアクセス1000件突破です!

ありがとうございます!

 ボールズへと報告を終えた俺達は、支部長室を出た。


 俺達が今回報告した内容は、すぐにでも本部に伝えられるだろう。

 ギルド本部の協議会が方針を決定次第、俺達に連絡をするとのことだ。


 支部長室から続く廊下を進み、俺達は見慣れたギルドのエリアへと出る。

 相変わらず賑やかな室内は、酒盛りをする者やメンバーを募集する者、クエストの受注や報告をする者など、様々な冒険者達でごった返している。


「流石に、冒険者の街とも言われるグスタの街のギルドは随分賑やかね」


 キョロキョロと辺りを見渡しながら、クロエがそう呟く。


「ダルク地方のギルドはこんな感じじゃないの?」


「うーん、もっと規模が小さくて、閑散としてる感じかしら……」


 そうなのか。

 俺はこちらの世界に来てから、グスタの街のギルドにしか訪れたことがないので、どこも同じようなものかと思っていた。


「そりゃそうだ。グスタのギルド程の規模は他にないぜ。なんせ、ギルド本部のお膝元だからな」


 マークがそんな事を教えてくれる。

 確かに、同じ街の中に本部があれば、そりゃ規模も大きくなるか。


「そうだ、せっかくパーティを組んだんだから、クロエの実力を見るためにもクエストに行かない?」


 次々とクエストに出かけていく冒険者達を見て、俺はふとそんなことを思いついた。


「ああ、俺も同意見だ。これから戦っていく上で、情報共有もしておきたい」


 マークも俺の意見に頷き、同意を示す。

 もしクロエと3人で掃討作戦に挑むことになるのであれば、連携を取れるようにしておくべきだろう。


「ちょうど、俺達のパーティでは遠距離の魔法担当がいなかったんだ。クロエが手伝ってくれると助かるんだけど……」


「任せなさい!私の実力を見せてあげるわ!」


 俺のそんな言葉に、クロエはやや薄い胸を張ってそう答えた。


 これでようやく、念願の遠距離攻撃担当がパーティに加入した。

 できれば、作戦が終わった後も一緒に冒険できるといいけどなぁ……。



                 ◆◆◆



ギルドで手軽なクエストを見繕った俺達は、禁忌の森へと向かっていた。

アブダイルの森の方が以来の数が多いのだが、獄王の刃との遭遇を危険視しての判断から、今回は禁忌の森でのクエストを行うことになった。


 ちなみに、ヒヨリは宿でお留守番中だ。


「そういえば、クロエはどんな魔法が使えるの?」


 禁忌の森も目前というところで、俺はクロエへそう尋ねた。

 実際に戦う前に、その辺の情報は知っていた方が良いだろう。


「そうね、まずは初級水魔法の【水弾アクアバレット】、そして【水弾】の上位互換である【水連弾アクアガトリング】をよく使うわ」


 【水弾】はその名の通り、魔力で強化した水の塊を打ち出す魔法で、【水連弾】は、【水弾】を同時展開し、連続で放つ魔法らしい。


「まさか、それだけって訳じゃないだろう?」


 マークがそう尋ねると、クロエも勿論とばかりに話を再開する。


「そりゃそうよ。後は、【氷槌アイスハンマー】と、とってきおきの【水牢獄アクアプリズン】ってとこかしら」


 氷属性の中級魔法である【氷槌】は、空気中の水分を凍らせた巨大な氷の槌で相手を押し潰す魔法らしい。

そして、とっておきという【水牢獄】は、膨大な水を魔力で制御し、相手を水の牢獄に閉じ込めて窒息死させるという中々に凶悪な魔法だ。


「なるほどな、クロエの得意属性は水か」


 マークによると、魔法は炎・水・風・土の四属性と、無属性に分類されるらしい。

 氷を扱う【氷槌】も、分類的には水属性で、俺達の使う【硬化】やマークの【毒の牙(ポイズンファング)】なんかは、全て無属性に分類されるそうだ。


「そうね、私の得意属性は水。他の属性も使えないことは無いけど、実戦レベルじゃないから、戦いで使うのはこれくらいよ」


「やっぱり、クロエは凄いね!そんなに攻撃魔法が使える仲間が出来て、俺も嬉しいよ!」


 まさに即戦力となるだろうクロエの加入に、俺は手を叩いて喜ぶ。

 上手く連携を取ることができれば、次の掃討作戦の完遂も夢じゃないだろう。


「……ふん!精々足を引っ張らないでよね!特にそっちの銀髪盗賊!」


 クロエは少し顔を赤くすると、照れ隠しなのかマークにそんな言葉を放った。


「……さいでっか。お登りのエリートさんに負けないように頑張りますよ」


 クロエのそんな言葉もどこ吹く風といった様子で、マークはそれを軽く流した。


「だから!お登りって言わないで!」


「事実だろ?恥ずかしいから街の中でキョロキョロすんなよな」


 クロエとマークがバチバチと火花を散らし始める。

 はぁ、この二人はとことん相性が悪いな……。


「まぁまぁ、二人とも落ち着いて!そういえば、クロエが使える珍しい魔法っていうのは、【水牢獄】のことかな?」


 俺が二人を落ち着かせるために話題を変え、クロエに話を振る。

 だが、当のクロエ本人は、苦々しい表情をしていた。


「……違うわ。でも、今のアンタ達には教えられない」


 ツンとした表情で、クロエはそう答えた。

 まだ信用が足りないということだろうか。


「……全部話せとは言わねえが、それで不利になるようならすぐに教えろよ?」


 意外にも、マークはすんなりと受け入れたようだ。

 また喧嘩になるかと思ってひやひやしてたけど、その辺は大丈夫そうだ。


「いつか、話してくれるんだよね?」


 俺は、クロエに尋ねるようにそう問いかけた。


「そうね、アンタ達がちゃんと信用できるって分かったら、絶対……」


 そう言ったクロエの表情は、何故か少し悲しそうだった。

 その表情も魔法のことも気になるが、いつか話してくれるならそれでいいだろう。

 それよりも、今は実際にクロエと戦って連携を取る練習をしないとな。


 そして俺達も、得意な戦法や使える魔法、スキルの情報を全て伝えると、止まっていた禁忌の森への歩みを再開したのだった。



                ◆◆◆



「……打ち砕くは悪。我が魔力を喰らいて、今その敵を拘束する、終わりなき水の牢獄を顕現させよ!」


 詠唱と同時に、膨大な魔力がクロエの前に水の塊を生み出していく。


「クロエ!いけるか!?」


 前線で敵の相手をしていた俺が、詠唱が終わったのを確認してクロエにそう尋ねる。


「ええ、いけるわ!躱してね、【水牢獄】!」


 そんな言葉と同時に、巨大な水の塊が魔物へと放たれ、その体を一瞬で覆いつくす。

 あっという間に敵を包み込んだ水の塊は、その形を立方体へと変化させていく。

 水の中の魔物も抜け出そうともがいているが、鎖のような水の魔力でその体を拘束され、動くこともままならない。


「……やるじゃないか」


「そうだね、凄いよクロエ!」


 絶対に抜け出せない水の牢獄に捕らえられた魔物は何も出来ず、ただ窒息するのを待つだけだ。

 そんな、まさに必殺とも言えるクロエの魔法を見た俺達は、素直に称賛の声を上げた。


「ふふん!どうよ、これが私の実力なんだから!」


 クロエが駆け寄る俺達へ、ドヤ顔で胸を張ってそう答える。


 そして、その後も【水弾】や【水連弾】から始まり、【氷槌】も含め、全ての魔法を披露してもらった。

 その高い知力のステータス値からか、クロエの魔法は初級の【水弾】であっても、一撃で敵を貫く程の威力だった。


「ま、こんなところね。案外、アンタ達も強いのね」


「そりゃあ、これでも、本部から特殊任務を任されてるんでね……」


「俺も、マークやクロエ程じゃないけど、ある程度は戦える自信があるよ」


 戦いを終え、俺達は一息つきながらそんな会話をしていた。


 ―――ガサガサッ!


 依頼の目的だった魔物も無事討伐し、そろそろ帰ろうかという時だった。

 クロエの後ろの茂みが大きく揺れ、何かの影が飛び出してくる。


『ギイイイイッ!』


 小さな体に緑の体表、そして右手に持った粗末な造りの棍棒……。


 そう、出てきたのは一匹のゴブリンだ。

 それも、獄王の刃に改造された凶悪なゴブリンではなく、ただの雑魚とも言える普通のゴブリンである。


『ギギギッ!!』


 ゴブリンがクロエに向かって跳びかかり、その棍棒を振り下ろそうとする。


 助けに出ようと思ったが、ゴブリン程度の攻撃であれば、きっとクロエの杖でも受けとめられる。

 最悪、受け止めるのに失敗したとしても、ゴブリンの攻撃なら殆どダメージにならない筈だ。

 耐久の高くないマークでさえ、ゴブリンの攻撃なんて屁でもないだろう。


 マークも同じ考えなのか、ゴブリンがクロエに襲い掛かるのを黙って見ている。


「……きゃあっ!」


 そして、後ずさるクロエに向けて、今度こそゴブリンの棍棒が直撃した。

 あちゃあ、受け止めるのには失敗したか……。

 まぁ、クロエ程の実力があれば、攻撃を受けながらでも詠唱して反撃できるだろう。


 そう思ったのだが……。


「キュー……」


 ゴブリンの攻撃を受けたクロエは、なんとそのまま昏倒して意識を失った。

 パタリと音がして、クロエがそのまま後ろに倒れ込む。


「クロエ!?」


「嘘だろ!?ヨシヒロ、俺が出る!」


 俺達は同時に驚愕の声を上げる。

 再びクロエに攻撃を加えようとするゴブリンに向かって、マークが全力で疾走すると、一瞬でその首を跳ねた。


「はぁ、先が思いやられるな……」


「とりあえず、帰ろっか……」


そんな会話をしながら、俺は気絶したクロエを背負って街へと帰るのだった。



―――――――――――――――――――――――

<<クロエ・ベルヴィル>>


冒険者ランク:D レベル:39

職業:上級魔導士(アークウィザード)

筋力:E77

耐久:F39

敏捷:D282

知力:A703

器用:C302

運 :D201


<<魔法>>


【水弾】:水の弾丸で相手を撃ち抜く。


詠唱文:『我が魔力を水に変え、今その敵を穿て』


【水連弾】:水弾を複数展開し、同時に射出する。

      展開する水弾の数と威力は知力の値によって増減する。


詠唱文:『魔力の水弾よ、魔の者の体を穿つ連撃と成せ』


【氷槌】:巨大な氷の槌が敵を押し潰す。

     完成した氷槌の大きさは、知力の値によって変化。


詠唱文:『我が魔力を喰らいし大いなる氷の槌よ、魔の者を圧殺せよ』


【水牢獄】:水の鎖で相手を拘束後、水の牢獄に敵を閉じ込める。

      解除は任意だが、敵が倒れると自動的に解除される。


詠唱文:『打ち砕くは悪。我が魔力を喰らいて、今その敵を拘束する、終わりなき水の牢獄を顕現させよ』


【???】:???

詠唱文:???


<<固有ユニークスキル>>


【???】:???


<<常時パッシブスキル>>


【高速詠唱】:詠唱のスピードが上がる。

―――――――――――――――――――――――


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