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社畜・イン・ファンタジー ~異世界ブラック冒険譚~  作者: 揚げたてアジフライ
第三章 新たなる出会い
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第51話 社畜と新メンバー

急いで書いたので少し短め。

残弾が尽きたので投稿ペースが厳しいです

 俺達は、アブダイルの森の調査中にクロエと出会い、仮にパーティを組むことになった。

 今は、今回の件を報告するためにグスタの街に帰る途中だ。


「そう言えば、クロエは何でアブダイルの森を逃げ回ってたの?」


 極王の刃の研究支部があった禁忌の森ならともかく、三日間探しても手がかりの1つすら掴めなかったアブダイルの森で、クロエが追われていたのは謎だ。


 俺のそんな疑問に、クロエが理由を話してくれる。


「……実は私、極王の刃に捕まってたの」


 珍しい魔術が使えるのは話したわよね、とクロエが話を続ける。


「……その魔術が原因で、私達の一族は滅ぼされた。そして、最後の1人になった私は、ダルク地方にある、極王の刃の施設に囚われたの」


「なんだと……!?」


「それは……」


 クロエから伝えられる衝撃の過去に、俺達は騒然とする。

 家族のみならず一族全てとなれば、もうクロエの血縁となる人物は全て消されたのだろう。


「だから私は、極王の刃を絶対に許さない。アンタ達を利用してでも、組織を壊滅させるって決めたの」


 俺なんかでは計り知れない重い過去を抱えるクロエは、遥か先を見据えるようにそう呟く。

 

「……そうか、俺達も、出来るだけ手助けする」


「そうだね、極王の刃壊滅っていう目的は一緒だ」


 俺とマークは、クロエに同調するようにそう答える。


 極王の刃対策のための特殊部隊として任命された俺達にとって、クロエの目指す極王の刃壊滅という目的は殆ど同じだ。


 ちなみに、クロエは隣地方であるダルク地方出身らしく、研究支部も恐らくダルク地方にあるとのこと。


 どうにか組織から逃げ出したものの、使い慣れない転移魔法が暴発してしまったので、自分のいる場所が分からないままにアブダイルの森彷徨っていたらしい。


「ダルク地方か……」


 マークが少し考え込むようにそう呟く。

 帰ろうと思えば、急いでも5日は掛かる距離らしい。


 こうして、クロエから事のあらましを聞いた俺達は、グスタの街のギルドへと急ぐのであった。



                     ◆◆◆



「へぇ、ここがあの有名なグスタの街か……」


 クロエが感慨深そうにそう呟く。


「観光なら後だ。まずはギルドに行くぞ」


「……うるさいわね、分かってるわよ!」


 街並みを眺めていたクロエは、マークの言葉に、ハッとしたようにそう反応した。

 報告が終わったら、少し街を案内してもいいかもしれないな。


「とりあえず、ギルドに行こうよ」


「そうだな。行くぞ、お登りさん」


「うるっさいわね!放っといてよ!」


 マークが煽るようにそう言うと、クロエは顔を真っ赤にしてそう答えた。


 ダルク地方には、大きな街が無いのだろうか。


 閑話休題。


 大通りを抜けた俺達は、ボールズに連絡を取ってもらい、報告のために支部長室を訪れていた。


「なんでそんなに厄介事にばかり巻き込まれるんだ……。いや、捜索が上手くいったのは良い事なんだが……」


 俺達の報告を聞いたボールズは、頭を抱えながら深く溜息をついた。


「って言われましても……」


「ああ、偶然が重なったとしか言えないな……」


 今回ばかりは、本当に偶然も偶然、奇跡に近い出来事だ。

 クロエがたまたまアブダイルの森に転移し、あの広い森で偶然にも俺達と出会ったのだから。


「……ねぇ、このハゲは誰よ」


 クロエが、ボールズに聞こえるか聞こえないか微妙なラインの声で尋ねてくる。


「……この街の冒険者ギルドの支部長だよ」


「……そういうことだ。あんまり失礼なことするなよ、お登りさん」


「……だから、うるさいわよ!」


 マークとクロエが、あくまでも小声で口喧嘩を始める。


 そんな俺たちの様子を伺うように、ボールズがこちらへ話しかけてきた。


「あー、そろそろ続き話しても良いか……」


「あっ、すいません!続けてください!」


 未だ静かに睨み合うマークとクロエは放っておいて、俺はボールズに話を促す。


「ゴホン。まず、お前達の話をギルド本部に報告する。そして上が奴らの場所を突き止め次第、お前らに報告する事になる」


 ボールズは大きく咳払いをすると、話を開始した。まぁ、この辺は予想通りだな。


「……そのアジトを襲撃するのは、やっぱり俺達でしょう?」


 マークがボールズにそう尋ねた。


「恐らく、そうなるだろうな。当事者として、そこの少女……ベルヴィル君も作戦に参加するかもしれんが……」


 確かに、その可能性は大いにあるだろう。

 だが、逆に言えばそれ以上の人員増加は望めない。


「……また俺達だけで掃討ですか?」


「すまない。できる限りの支援はするが、人員の方はな……」


 マークも確認してくれるが、やはりその答えは芳しくない。


「ここからは、グスタの街ギルド支部長としての、個人的な話だ」


「それは、なんです?」


「ああ、君達二人で、ベルヴィル君を保護して欲しいんだ。本来であれば我々ギルドがやるべき事なのだがな……」


「なんですって?」


 ボールズの予想外の提案に、俺は思わずそんな声を上げる。


「流石に予想外なんですが、どうして俺とヨシヒロが……?」


 マークも俺と同じく、ボールズに問いかける。


「お前達の功績と実力を見込んでのことだ。ギルド専属の冒険者は、長期の遠征に出かけていてな……」


 実力云々はともかく、極王の刃が関わっているのであれば、俺達がやるべき役割なのかもしれない。

 本部は人員を出さない、専属の冒険者は遠征中となれば尚更だ。


「俺は受けたい。マークはどう思う?」


「いいんじゃないか?その辺の判断はお前に任せる」


 なんて言うか、マークは大事な判断を俺に任せすぎだと思う。


 別に、パーティのリーダーは俺って訳じゃないんだけどな……。

 良く思えば、それだけ俺の事を信頼してくれてるのかもしれないけど。


「じゃあ、クロエと臨時でパーティを組もうと思う。勝手に話を進めちゃったけど、それでクロエも大丈夫かな?」


 これまで静かに話を聞いていたクロエに、俺はそう尋ねる。


「……この際、あいつらを倒せるなら手段は選ばないわ。よろしく頼むわね」


 クロエ本人の意思確認もできた。

 これからしばらく、俺達は三人パーティだ。


「ああ、こちらこそよろしく」


「そのうちお登りさんには観光案内もしてやるよ」


 手をひらひらさせながら、マークが再びクロエを煽るようにそう告げる。

 それを聞いたクロエが怒り、また口喧嘩が始まった。


 本当に、このパーティは大丈夫なのだろうか……。


「お前ら、本当に頼むからな……?」


 ボールズも同意見のようで、呆れたようにそう声をかけてくる。


 俺は、バチバチと睨み合う2人を連れて、支部長室を後にしたのだった

とりあえず明日の12時頃に投稿しますが、それ以降はどんなペースで投稿できるか分かりません……。

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