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社畜・イン・ファンタジー ~異世界ブラック冒険譚~  作者: 揚げたてアジフライ
第一章 剣と魔法とデスマーチ
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第17話 社畜の心機一転

12時投稿(大嘘)


 俺は、審査の末、Eランクへと昇級することになった。

 

 今日はこの後どうしようかと考えつつ、街を歩いていた時のことだった。

 ふと、黒大蛇ヘビィボアの討伐の前から、ステータスの確認をしていないことに気づいたのである。

 一応、格上の相手を倒した訳ではあるので、良い感じにステータスが上がっているといいのだが。

 そんなことを思いながら、俺はステータス確認の魔法を詠唱する。


「―――【ステイト】!」


 そして、詠唱と同時に、青白い魔法陣が現れ、目の前にステータス画面が表示された。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

<<<ヨシヒロ・サトウ>>>


冒険者ランク:E  レベル:13

職業:冒険者


筋力:D127

耐久:D234

敏捷:D158

知力:E95

器用:D110

運 :D113


<<固有ユニークスキル>>


【不眠不休】:一定時間内の活動における疲労減少。

 睡眠属性の干渉に対し、中程度の耐性を得る。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


「うおっ!めちゃくちゃ上がってる!」


 想像以上のステータス値とレベルの上昇に、俺は思わず声を上げた。

 どうやら、格上の魔物との戦闘は、相当な経験値になるらしい。

 

 まぁ、当然と言えば当然のことではある。

 強い敵を倒せば、それ相応の経験値を獲得することができる。

 そんなものは、今までプレイしてきたRPGでも当たり前のことだった。

 

 ゲームと違うのは、死んでもコンティニューできないと言うことぐらいだろうか。

 まぁ、世界のどこかに蘇生魔法なんかもあるかもしれないが、なんの情報も無しにそれを試すには、流石にリスクが高すぎる。

 それに、あの時の電車の事故が現実だとすれば、この世界での生活は二度目の命と言えるのだ。

 流石に、もう一回死にたいとは思わない。命を大事に、である。


 それはさておき、ステータスの変化について詳しく確認しておこう。

 レベルが7も上昇したからだと思うが、前回詳しく確認した時と比べても、全てのステータスが30近く、敏捷と運の値に関しては100以上も上がっている。

 それにしても、攻撃を殆ど喰らっていない筈なのに、相変わらず耐久の値だけは一定以上に上がり続けているのは、一体どういう事情なのだろうか。

 

 しかし、ここまで耐久値が高くなってくると、多少の攻撃なら、無効とまではいかなくとも軽減できるのではないか。

 流石に、攻撃をわざと受けるのはシンプルに怖いので、意図的に試そうとは思わないが……。


 異常なくらい敏捷値が上がっているのは、サカナデ草の件でゴブリン達から逃げ回りながら戦っていたことが要因だろうか。何せ、1時間以上は山の中を走り回っていた。

 運の上昇は、十中八九、黒大蛇に対して、運良くクリティカルを連発したことが原因だろう。


 良くも悪くも、ステータスの上昇は、自分の行動に大きく左右されると言う訳である。


「とまぁ、こんなところか……」


 油断は禁物だが、ここまでステータスが上昇し、冒険者ランクもアップした今であれば、受注するクエストの難易度も少し上げてもいいかもしれない。

 もっとも、しっかり情報収集をしてから挑むことが絶対条件ではあるが……。


 とりあえず、しばらくの間は、クエストを着実にクリアして、次のランクアップを目指すこととしよう―――



◆◆◆



 そんなこんなで、早くも2週間近くが経過した。


 ひたすらクエストを受注して攻略、受注しては攻略の繰り返しだ。特に変わったこともない。

 ステータス上昇のために、討伐依頼ばかり受けていたおかげで、少しずつ戦闘にも慣れてきたぐらいだろうか。


「―――それでは、またよろしくお願いします」


「あっ!そういえば、サトウさんのお耳に入れておきたいことがあって……」


 もはや日課になったギルドへの依頼達成の報告を終えたところで、今日は、珍しくアリシアから声が掛かった。

 ここ最近は、クエスト関連の事務的なやり取りでしか話をしてなかったので、俺は思わず戸惑ってしまう。


「は、はいっ!なんでしょおっ……!?」


 突然のコミュ障を発揮してしまったのだが、アリシアはそんなことは構わずに話を続ける。

 何やら、真面目な話らしい。


「最近、この街の周辺で、上位の魔物である不死者リッチが目撃されたとのことでして……」


「不死者、ですか……」


 不死者といえば、ファンタジー系のゲームにもよく登場する魔物だ。

 どのゲームでも、アンデッド系モンスターの中では、上位に位置していた記憶がある。


「はい、死霊術ネクロマンスを操り、魔物や動物、冒険者の死体をアンデッドに変えてしまう恐ろしい魔物です。太陽を嫌うはずなので、普通なら洞窟の奥なんかで、ひっそり暮らしているはずなんですが……」


「その不死者が、何故か、グスタの街の近くでも見かけられるようになったと……」


 いくらランクアップしたとはいえ、アンデッド系の魔物との戦闘は経験がない。

 それも上位の魔物、今の俺では明らかに力不足だ。

 恐らく、そう言った事情も加味して、アリシアは俺へ注意喚起をしてくれたのだろう。


「そうなんです!不死者は青白い顔と、死んだような目が特徴的で、カストゥール山脈の麓で見かけた冒険者によれば、恐ろしい形相で、下位の魔物をいたぶっていたとか……!」


「それは恐ろしいですね……。情報ありがとうございます。クエストの際はくれぐれも注意しておきます」


 本当に安全を期すのであれば、街から出ないのが一番ではある。

 ただし、俺も冒険者になったのだから、上を目指したい。そんなことを最近は感じていた。

 そもそも、依頼を受けてないと生活が苦しいと言う理由も大きいのだが……。


(もし、依頼先で不死者と出会ってしまったら……)

 

 考えたくもないことではあるが、そうなったら、もう逃げるしかないだろう。

 何かの間違いで不死者と戦った暁には、隣に不審なゾンビが1体増えるだけだ。

 幸いにも、太陽が嫌いと言うのなら、山地や森から抜けてしまえば、ある程度は撒ける可能性が高い。

 というか、それに賭けるしかないと言うのが事実ではあるのだが……。


 そんなこんなで、俺はギルドの資料室で不死者の情報をしっかりと収集し、クエストへと足を運ぶのであった―――


次回は21時に投稿です

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