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第九十七話と第九十八話と第九十九話

【第九十七話】


「優奈はいつもマイペースだね」


「ごめん、振り回して」


「私、疲れちゃった」


「悪いとこ直す、ほんとごめんなさい」


「もう無理…」


「考え直して、お願い」


「優奈のこと好きだから」


「好きだから?」


「好きなうちに別れた方がいいかなって」


「きれいな思い出にされるのイヤだよ」




【第九十八話】


一人

旅先

喫茶店

柱時計

珈琲の香

客は私だけ

もうすぐ閉店

ジャズが流れる

静かに時が過ぎる

煙草の火をもみ消す

もう梅雨に入ったのか

昔のことばかり思い出す

ゆっくり天井ファンが回る

泊まっているホテルに戻るか

あの時彼女を引き留めていたら

でも幸せにはできなかっただろう



【第九十九話】


さあ到着だ

飲めや歌えやの大騒ぎ


地球を遠く離れ

たどり着いたはケンタウリ


六千年の旅を終え

眼前に拡がる

毒入り大気と硫酸の海


無駄足だったとは言わせない

俺たちはやり遂げたんだ


地球からの連絡は途絶え

残った人類は我々だけか


旅を続けよう

いつか約束の地に降り立つ日まで

「140文字小説の森」第一期 全九十九話 完結です。


Twitterにて令和元年の初日五月一日から連載させていただいていました。


140文字という制限の中で、いかに読者のみなさんに楽しんでもらう作品に仕上げるか


様々なトライをしてみましたが、いかがだったでしょうか?


感想をいただけたら嬉しいです!


あと一話でキリ番の第百話になるわけですけれど、最後の一話は読者の皆さん自身で


書いてもらえたら完成かなって思っています。


2ヶ月近くお付き合いいただきありがとうございました。


まだ全部お読みでない方もいらっしゃると思います。


好みの作品がどこかに隠れていると思いますので、ぜひ過去作品もご覧になってみてください。


「第何話が好きだったよ」とかコメントをいただければ嬉しいです。


いつの日かさらにパワーアップした「140文字小説の森」第二期 を書いてみたいと思います。


その日までご機嫌よう!



令和元年六月十八日 小泉 洸



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