19/49
第三十七話と第三十八話
【第三十七話】
「では月岡さん、答えてください」
「設問自体の意味がわかりません」
「じゃあ、ちょっと前に出てきてもらえるかな」
「移動手段がありません」
「えっ?」
「ついでに腕もありません」
「ふざけてるんですか?」
「先生、スマートスピーカーに向かってなに言ってるんですか」
【第三十八話】
「私はアタラクシア、すなわち平静な心を追求する」
「ねえ、なぜエピクロスはそんなに頑ななの?」
「ん?それが善だからだ」
「じゃあ、恋人の私はどうなってもいいの?」
「そ、そんなことはないが距離を置けば熱も冷めるのが必然」
「無理しちゃってバカみたい」
「ええと、ごめん」
第三十八話について
私は、エピクロスの哲学については、文庫本を読んだだけの半可通でしかありません。
でも彼はいい人だったんだろうなって思い、記録に残っていない彼の恋人の気持ちになって書いてみました。
ちなみに、エピクロスは独身主義者であったわけでもないと思うので
こうゆう会話は、実際にあったかもです!