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第二十五話と第二十六話
【第二十五話】
横断歩道を渡ろうとしてやめた。夢だった。
信号無視して渡る人がいるのに気づいた。夢だった。
信号無視して渡ろうとしたが止められた。夢だった。
読者は次の展開を予想し鼻で笑っただろう。
信号無視した俺は急に現れた車に撥ねられた。
でもやはり夢だった。
俺の人生はすべて夢だった。
【第二十六話】
街中に聞き慣れないサイレンが響き渡った。
サイレンは世界中の街で鳴り響いた。
同時に人々が持つ携帯端末も警告音を発した。
人々はなにごとかと訝しんだ。
役所には問い合わせが殺到した。
なにか災害が起こるのか、戦争か。
次のサイレンが鳴った瞬間、
宇宙は振り出しに戻った。