001
またか。
俺は幾度となく繰り返した天井を恨めしく思う。
俺龍咲焔には最愛の女性がいた。
星々かのん俺の可愛い幼なじみ。
俺たちは幼い頃より結婚の約束をしていて俺はそのまま二人は結ばれるものだと思っていた。
だが、かのんと俺が15歳になったその日かのんは突然俺に別れを告げ俺の元より去っていってしまった。
突然ことに驚く暇もない程にかのんとその家族は夜逃げでもするかのように、行く先も告げず引っ越してしまった。
残れされた俺はそのショックで学校に行く気にもならず。
高校には通えていない。
それが今の状態だ。
家族はありがたい事にその気持ちを理解してくれて何も言わないでくれている。
俺の両親は海外に出張中で家にはいないが、連絡は取っていて好きなだけ休んでいいと言われている。
「はぁ……かのん俺のどこが嫌いになったんだ……」
もう何度も繰り返して答えが出ないため息と言葉が、俺の心に纏わりつき思考能力を奪っていく。
最愛の女性に振られたのだ。
その事実が胸の奥に突き刺さる。
そんな暗い気持ちの中カーテンを閉め薄暗い天井を眺めていると。
呼び鈴が鳴った。
「はーい今行きます」
俺はパジャマの上にズボンを履き上着を羽織ると。
玄関の向かった。
もうなにもかもめんどくさいがそれぐらいはしないと駄目だ。
「郵便です龍咲焔ですね。ハンコお願いします」
◇
「なんだこれ? 学校のパンフレット。私立帝王学園? 凄い名前だなおい」
俺は封筒を開いた。
出てきたパンフレットをペラペラ。
「これは!? かのん?」
そのパンフレットには俺の最愛の幼なじみだった星々かのんの姿があった。
「副生徒会長? それよりなんだ最後のページの金金は力成り、金でなんでも買える?」
駄目だついていけない。
このパンフレットによるとこの学園私立帝王学園の全ては金銭で動く金銭で買える。
普通に考えてもあり得ない異常だ。
そしてかのんはなぜこんないかれた学園で副生徒会長をしているんだ?
一枚一枚分フレットをめくる。
すると一枚の紙が挟んであった。
「なんだこれ?」
俺はそれを読んでパジャマを脱いでスーツを探し始めた。
その紙にはこう書いてあった。
【龍咲焔どのこの度。
貴殿は私立帝王学園転入の資格を判断するチャンスを獲得されました。
この学園において金銭こそすべて金銭で全てが購買可能。
そして星々かのん殿は現生徒会長鳴滝龍一氏により心を購入されました。
よって学園のルールののっとり貴殿にチャンスを提供いたします。
星々かのん殿の心を取り返したくば現生徒会長鳴滝龍一に勝利する以外に道はありません。
その資格の判定の為入学試験をこないます。
明日3月10日に貴殿の御自宅に迎えの車を手配いたしますので心の準備の方をお願いします。
誠急な話ですが、金銭で全てが動くこの学園においても時は金なりなのです。
仮にこの試験を受ける気持ちがないのならば、迎えの者にお申し付けください。
よき選択を期待しております】
俺のかのんを取り戻す戦いはそこから始まった。
くそったれな金の亡者たちの楽園を舞台に。