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スターチス

作者: 月影 ゆかり

踏切の前。


電車が通り過ぎていく。


君は今もここで、なぜ死んだのかもわからず彷徨っているのだろうか。


近くの電柱には、もう何も置かれていなかった。


君が死んでから、たくさんの人が来ては泣いて行った。


そして、電柱の下の所に花やぬいぐるみ 手紙などが置かれていた。


でも、それはもうどこにもない。


あぁ、こうやって君は忘れ去られていくのか…


あの日のことは、僕にはよくわからない。


周りの人はみな、事故だと言っていた。


本当に事故で死んだのだろうか。


それとも自殺だったのだろうか。


今の僕には、知る術もない。


ただ、君が死ぬ時 周りには誰もいなかったそうだ。


死体で見つかった時にはもう、電車で轢かれていた後だった。


遺書はどこにもなかった。


でも、僕は自殺なのではないかとうっすら思っている。


僕は、君が好きだと言っていた花…スターチスの花束を電柱の下に置いた。


そして、静かに手を合わせた。


君が最後に僕に言った言葉…


「スターチスの花言葉はね。途絶えぬ記憶って言うんだって」


そして、君が死んでから気づいた。


あの言葉の本当の意味をー


君はきっと「忘れないで」と言いたかったのだと思う。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 読んだ後、余韻がありました。 オチが良いですね。 大事な部分がぼかされているので、いい意味でいろいろと想像してしまいました。
2017/09/27 20:42 退会済み
管理
[良い点] なぜかよく分かりませんが泣きそうになりました。 静かな終わり方が美しいですね。
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