高家由良氏の滅亡⑤
区切りを良くしたいので、文章はさらに短めです。
金井はその凄惨な光景をまざまざと見せつけられた。幾つもの水柱、火柱が上がり、わたらせ川が火の海と化した。多くの由良兵が吹き飛ばされ、溺れ死んでいた。
「だ、弾正殿・・・。」
「どうよ、金井。この光景は。」
「は、はい・・・。何というか、凄まじいです。」
「そうだろう。全くだ。お前の心配も杞憂に終わったな。」
「そ、そうですね。」
岩松俊光の作戦はこうだ。まず、岩松軍が、川を渡る。それに対して由良軍は喜んで銃を発射する。しかし、発射する瞬間にオランダから輸入した。潜水具を持たせて川に潜らせていた斬りこみ隊が銃士隊に斬りこみをかける。そして、銃士隊が混乱して、ほとんど弾は当たらない。これは本当になった。そして、混乱の中、さっさと川辺に撤退する。そして、敵が逃げた所に由良が攻撃を開始して川に入る。そして、川に仕掛けた地雷が由良に向かって爆発して、さらに由良に被害が出る。そして、川上からオランダから輸入した火薬を積んだ小舟を30個用意して一斉に流し、由良軍の間近で爆発するように時限装置を付けた。この作戦は大成功したのであった。
「敵は混乱している。さあ、銃士隊。前へ~!!!」
俊光の命令により、整然と整列した今松の銃士隊約300人が進軍した。皆動きやすい軍服を身に纏い、エンピール銃に銃剣を付けていた。そして、岩松軍の整然さと言ったら、ヨーロッパ人でも目を見張るほど、素晴らしい物だった。岩松軍は悠然と規則正しく軍隊を動かし、川を越え、混乱の由良軍に発砲をかける。そして、規則正しく弾を装填してさらに何発も由良軍に撃って行った。しっかりしていた俊光は、この模様を写真に撮らせていた。海外に宣伝するためである。日本には質の良い軍隊を持っていると。
「俊光様。由良貞臣は逃亡を図った模様。」
「そうか。まあよいわ。全て予定道理だからな。」
俊光は明日には由良貞臣を撃てると確信した。