表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

16/28

エルフの里の王女様

「もう少しで、ウチの友達がいる。エルフの里っす」


 モールで買い物をした後。今日の宿に泊まるためと、戦闘の激戦地を回避するために、少し遠回りしてエルフの里に行くことになった。

 今、俺とリアナはエリに抱えられ、空を飛んで移動中である。


 地球人の町と、帝国の両方に接する位置に、エルフの里はある。

 エルフ達は、今回の戦闘には中立の立場を取っている。

今のところ、彼らが巻き込まれないのは、大きく二つ理由があるらしい

 一つは、彼らは元々森で動物たちと過ごすの好み、巨大な森林の奥深くに住んでいる。

そして、地球人や帝国の人々が暮らす様な、街での生活に興味が無い為、そもそも接点が少ない事。

 もう一つは、彼ら一人一人が魔法と弓術に優れ、森でのゲリラ戦を得意としている為に、侵攻した場合、得るものよりも、被害の方が大きくなるためだ。


「エルフか」

 俺の期待は大きく膨らんでいた。

エルフと言えば、種族全員が美男美女、スレンダーボディーの金髪碧眼。

異世界物の代名詞のような存在。

 そして、男子ならば誰も憧れる。謎の触手に襲われる美少女エルフ。

あえて言おう。最高であると。


「純平。落とされたいの? それとも、自分の強度実験でもして欲しいのかしら?」

 俺を抱えているエリの腕の力が、弱くなる。

「わ、わっ! 神楽坂さん助けてください、ごめんなさい。許してください!」

「はあ。何で私、こんな奴を好きになっちゃったんだろう」

 大きなため息とともに、力を元に戻してくれた。

ホントごめんなさい。後、僕の心も抉られました。


「エリ、なんっすか? 今何の話をしてたんっすか?」

 モールでのショッピング中と、違う波長を感じたのか、リアナが食いついてくる。

「純平が、リアナのお友達とエルフちゃんとエッチな事がしたいそうよ」

 待ってください神楽坂さん。僕、そこまでは思ってなかったですよ!

「旦那様! どういうことっすか!? ウチとライバルのエリならまだしも、他の女と交尾がしたいなんて、妻として絶対許さないっすよ!」


 突如、隣でエリに抱えられているリアナが、俺の首を絞め始めた。

俺はリアナを舐めていたが、さすがは獣人。とんでもないパワーだ。

 ぐいぐい俺の首が閉まっていく。必死にタップするが、全然力を抜いてくれない。

「旦那様が、旦那様が早くウチを選んで交尾しないから、他の女に目移りするっす。直ぐっす、今からすぐ交尾するっす」

「な! だめよ! 絶対ダメ! そんなの許さないわよ」

 今度は、俺の腰を抱えているエリの腕に力が入る。な、中身が出てくる!

 苦しい! 痛い! 声も出ない!

ああ、また俺死ぬのか。もう数えるのも面倒になってきた。


 その時、リアナの手が外れ、エリも力を元の加減を、元に戻してくれた。

良かった。許してくれたみたいだ。


「エリ、聞こえたっすか」

「うん。多分こっちよ」

エリは急に進行方向を変え、急降下を始める。

「な、なんだ、どうしたんだ?」

「女の子の悲鳴。多分こっちで助けを求めてる」

 な、なんとうい事だ。本当にあのシチュエーションに遭遇する事になるのか!

「純平だけ、ここで降りて行ってもいいのよ?」

「ち、違うぞエリ。遂に人助けができるかもと……。すいません。嘘つきました。自制します」

「もういいわ。お説教は後。とにかく急ぐわよ」


 森の中に降り、エリの腕が外される。

深い森だと聞いていたが、かなり光が遮られているみたいで、とても昼過ぎとは思えない暗さだった。


「こっちっす。臭いと音がするっす」

リアナが直ぐに駆けだす。

 俺たち二人も後を追う。しかし、獣人早え!見失わない様にするのが精一杯だ。

木とでこぼこの地形で、視界も足元も悪い中を、リアナは平地でも走るように進んでいく。

 やばいな見失いそうだ。

「大丈夫、私は分かるから」

 すいません。神楽坂さん。俺に合わせてくれてるんですね。


「そこまでっす!」

 リアナは先に会敵したみたいだ。急がないと。


 リアナに何とか追いついた時、一人の幼女エルフが、戦士風の男5人に拉致されようとしていた。

「ウチの友達の、マールが攫われるっす。あいつら多分、帝国の奴等っす」

 すでに相手は臨戦態勢だ。

 マールと呼ばれた女の子は、殴られたのか頬に痣がきて、涙を流している。

許せねえ、許せねえ、許せねえ。美幼女を虐める奴は絶対に許さねえ!

 金髪幼女なんてもんは、もっと大切に、宝石のように扱うものなんだ!!!!!

 

「幼女は大切にするもんだ! お前ら絶対許さねえぞ!!!」


 俺は一気に駆けだした、頭よりも身体が動いている感じだ。

自分で動いているはずなのに、自分の動きが早くて補足できない。

 気付いた時には、戦士風の男5人は全員倒れていた。

全員を盾で跳ね飛ばしたみたいだ。自分の事なのだが実感がわかない。


「旦那様凄いっす。ウチでも、ギリギリ見えるくらいの速さだったっす」

「動機が不純すぎて、頭が痛くなりそうだったけど。確かに凄かったわ」

 

 俺は急いで、マールに駆け寄る

「大丈夫か? 痛かっただろう? 俺はリアナの友達だ。もう安心だぞ」

 近くで見るマールは、更に美しかった。

右頬に痣が出来てしまっているが、それでも人間ではありえないような整った顔。

 生きた人形と言った方がしっくりする。エルフらしい金髪碧眼。

小さな体と、サラサラの金の髪が腰まで伸びている。

でも、その目は今は涙であふれていた。

「こ、怖かったですー」

 金髪幼女マールが飛びついてきた。余程ひどい目に遭ったに違いない。

幼女を抱きしめ、頭を撫でてやる。

 荒かった呼吸が少しずつ、落ち着いてきた。


「マール。リアナっす。大丈夫っすか?」

「リアナ、ありがとう。おかげさまで、王子様に助けていただく事が出来ました」

「「「え? なんだって?」」」 

 俺らは三人とも難聴になってしまった。リアナとエリは耳が良い筈なのだが。

「リアナ。今、申し上げた通りですわ。この方は私の王子様です」


 その時、この空間の時間が停止した。


 


 




 



 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ