表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

15/28

新たな武器 俺TUEEEE始まりの時!?

 遊べる武器屋。

クロスソード・ヴァンガード

うん。色々ギリギリな名前のお店だ。

それに、ショッピングモールの中の武器屋ってのも物騒だ。

 まあ、アメリカのモールの中には、ライフルを売ってる店もあるって聞いたことがあるから、そうでもないのか? 


 俺の服も決まって、ぶらぶら歩いていると、この店の前に来ていた。


 そもそも、遊べる武器屋とはどういうことだ?

「ここは、変わり者の店主が趣味でやってる武器屋っす。人間さんは、魔法が使える人が少ないっすけど。ここの武器は、相性が合えば、その武器にこめられた魔法が使えるらしいっすよ」

 それは、もう俺に魔法を使って、俺TUEEEEをしろってことだよな!?

正直、エリが強いのは分かっているが、女の子に守られるのは、いくらヘタレな俺でも自分で許せない。

 大事な子くらいは、守りたいのだ。

「何か、ちょっとカッコいいじゃない」

 エリがぼそりと呟く。

おおよ。俺はカッコ良くなって見せるぜ!


 意気揚々と店に入ってみる。店には所狭しと武器が並んでいる。

日本刀から銃器。モーニングスターのようなものまで、何でもありだ。


 四十過ぎくらいのおじさんさが、奥のカウンターに座っている。

「こんにちわ。自分に合う武器を探しに来たんですが、良かったら、お勧めとか教えてもらえないですか?」


 おじさんは、俺ら三人をじろりと見ると。俺ら一人一人を指さした。

「そこの魔法少女さん。ここには、あんたが強くなれるような武器はない」

 そりゃそうだ、閻魔様の秘蔵の装備なのだ。

「そして、獣人のお嬢さん。あんたは、自分の肉体で戦ったほうが良さそうだ。それに、魔法使えるだろう?」

 うんうん。確かに獣人は、自分の身体を持ち味にしたほうが強そうだ……え?

「リアナ魔法使えるのか?」

「使えるっすよ。使えないなんて、言った覚えはないっす」

 確かにこっちも聞いてないけど。一体何の魔法が使えるんだ? でも、あの戦場で逃げまどってたぐらいだから、回復とか、支援系とかなのか?


「どんな魔法が使えるんだ?」

「火を使った魔法っす。まあ攻撃魔法ってやつっす」

「そうなのか? 手から火の玉を、バーンって出したりか?」

 てか、それなら何であんなところに隠れてたんだ?

「違うっす。口から爆炎を放出するっす。威力の調整が難しいのと、女の子的に、結構恥ずかしいっす」

 お前はドラゴンかよ!? いざとなればブレス攻撃ができるらしい、新しい発見だった。 


 最後におじさんが、俺の方を指さす。

「そして、そこの兄ちゃんには、魔法の才能が一切ない。魔法が使えるような武器は使えない」

 容赦なくバッサリだ。俺TUEEEEは夢のまた夢だったのか。

「魔法は使えんが、兄ちゃんその小手、神器だろ?」

 毘沙門天様からもらった小手を指さすおじさん。

「そうです、膂力を得る力を持ってます」

 俺がそういうと、ちょっと待ってなと言って、バックヤードに入っていった。


「エリ、俺才能ないらしい……」

「そ、そんなに落ち込まないで純平。私が守ってあげるから」

 あっ! 神楽坂がしまったという顔をした。

俺が、さらに落ち込んだ感情が伝わったらしい。

 フォローすればするほど、俺が落ち込むのが分かったらしく、これ以上エリは何も言わなかった。

「ああ、エリは俺が守る!って言ってみたかった」

「気持ちだけでも、十分嬉しいわよ」

「ウチは? 旦那様、妻であるウチにはないんっすか?」

 また背中の上でリアナが暴れている。

「おうおう、リアナも守るぞ。毘沙門天様からも、博士たちからも、お願いされているからな」

「違うっす。そんなんじゃないっす。もっと甘々なのが、ウチも欲しいっす!」

 暴れて、リアナの胸が、バンバン俺の背中や頭に当たってる。こりゃたまらん。

「よしよし。俺が守ってやるから。へっへ……」

「おお、甘々来たっす。でも、旦那様。流石にここで交尾はちょっと」 

「純平!」

「イテーーー!」

 エリから尻をつねられた。痛いどころか、肉が引きちぎれるかと思った。


「店で騒ぐんじゃねえよ。この剣なら兄ちゃんも使えるよ」

 うん。確かに剣だ。特に装飾もない、両手持ち両刃のロングソード。

ゲームなら、最序盤で手に入りそうな武器だ。

 でも、裏から持ってきてくれた武器。何か特別な力があるに違いない。


「これにはどんな力があるんですか?」

「ない」

「これにはどんな力があるんですか?」

「ない」

 成程。聞き間違えではないらしい。

「力はない、切れ味も普通。ただ、丈夫だ。ここにあるどの剣よりも丈夫だ」

 丈夫なだけが取り柄の剣。がっかりだ。せめて、どんなものでも切れる剣とかだったら、格好がつくのに。

「不満そうだな。まあ、試してみな。こっちだ」

 おじさんはカウンターを出て、店内の一番奥にある。ドアを開ける。


 そこは、銃器の射撃場だった。カウンターがあり。20m位先に、的が10個並んでいる。

的の位置は調節できるようで、一番奥までは100m位ありそうだった。

 こんな空間を準備できるスペースは、店内になさそうだったが、魔法的な何かなのだろうか。

 おじさんがボタンを押すと。的は一番遠くまで流れてゆく。

「兄ちゃん。カウンターの前に出な」

 そう言って、さっきの剣を俺に寄こした。


 カウンターの前に出てみたが。

今から何をするんだ? 魔法は出ないから、走って切り付けに行けって事か?

「その場で、思いっきり、剣を横薙ぎにしてみろ。型なんて考えなくていいから、横薙ぎにする位置はだけは、的の真ん中ら辺だ」

 良く分からんが、全力で剣を振れという事らしい。

横薙ぎか? 剣なんて振ったことないから、よく分からないしな。

 取り敢えず。バットを振るような感じでスウィングしたら、全力で行けそうだ。


「旦那様。頑張るっす!」

「ありがとうリアナ。じゃあ、せーの」

 俺は思いっきり剣を振った。

物凄い突風が吹き荒れる。そして同時に、的十個が全て真っ二つになった。その先の壁にもひびが入っている。

「うお!! 凄いじゃないですか、おじさん。これ、風の魔法とかじゃないんですか?」

「魔法じゃない。ただのバカ力で、発生した風圧だ」

 魔法じゃないのか。風の魔法(物理)といったところか。

「まあ、魔法じゃないが、威力は中々だっただろ? 普通の剣だと、今のでポッキリ逝ってるよ」

 確かに。これなら、少しは役に立てそうだ。


「おじさん、ありがとう。俺にぴったりの武器でした。これ頂いてもいいんですか?」

「ああ、もちろんだ。むしろ在庫処分できて、こっちは助かる」

 その本音は聞きたくなかったです。


「あの、おじさん。私も自分の武器、試し打ちしてみたいんですけど。良いですか?」

「駄目だ」

 即答だった。お店の武器以外は禁止か何かかな?

 それにしてもエリの奴、また負けず嫌いの性格が疼いたんだろう。

「嬢ちゃんがここで試し打ちしたら、ここのモール事、消えちまう可能性がある。勘弁してくれ」

 相変わらず、チート能力の神楽坂さんです。

エリはこちらを見て、勝ち誇ったような顔をしている。

 俺がエリを守る想像がつかない。

 でもこれで、足を引っ張る可能性が、少しは減った気がする。

エリのお荷物というのだけは勘弁だ。リアナもこれで、少しは守る事が出来そうだ。


 リアナに、他に必要そうなものが無いか聞いたが、特にないという。

宿は、趣味でペンションみたいなのをやってるところが、所々あるらしい。

 俺たちには食料は必要ないし。RPGの回復薬みたいなアイテムも、ないとの事だった。


 聖クラリス帝国までは、歩けば1週間以上かかるとの事だったが、今回はエリが抱えて飛んで行ってくれるらしい。

 神楽坂さんマジ天使。お、また赤くなってカワイイ。

羽がパタパタしている。どうも嬉しい時も羽は動くらしい。そこもまたカワイイ。

「純平。だから伝わっちゃうから」


 多分エリのチート能力なら、一日かからないだろう。どちらかというと、ふっ飛ばされないように気を付ける方が、大変そうだ。


 それから、おじさんは盾もくれた。これも丈夫だけが取り柄の物らしい。

でも、今の俺には十分だ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ