第三話「魔素さんは縁の下の力持ち」
ヒロインなしはダメだなと思い、急いで書き上げました...
よろしくお願いします。
翌日、俺はまた書斎に向かっていた。
今日こそ魔法の勉強を開始するのだ!
両親は共働きで平日は家にいないし、ママにお留守番を任されたから俺は引きこもるぞ。
なんていったって俺は手の掛からないお利口さんだからな。
おっ? ちょうどいい本があるじゃないか。
「四大魔術と魔素について~初級編~」
魔法じゃなくて魔術なのかな?
ちょうど魔素についても調べたかったし、いいものを見つけた。
「ん~! 今日は天気がいいし、庭前で読むとするかな~」
ウッドデッキに腰を掛けて、ページを開いた。
ここって結構良いお屋敷だよなぁ…
だって目の前に鯉がいる池があるし。
まぁそんなことよりも…
「え~とまずは…四大魔術についてかな」
四大魔術とは火・水・風・土、の4つの属性魔術である。
火なら酸素を、水なら水分を、風なら空気を、土なら物質を。
魔素を使って効率的に収集・運動・構築を行って発現させる。
ほう…これはこれは。
酸素やら収集・運動って単語が出てくるってことは化学がある程度研究されてるのかな?
それと魔素の考え方は、魔素自体を魔術に変えるんじゃなくて、あくまで発現させるための補佐的な役割なのか。
「けどなぁ~魔素ってどうやって感じればいいんだ?」
「体に流れる血液をイメージすればいいのよ!」
「ほう…よくある魔術のイメージと一緒なんだ…どちら様でしょうか?」
顔を見上げるとなぜか勝気な表情をした、でも太陽並に輝いている笑顔の女の子がいた。
「私? 私は藤原耀子。藤原家のお嬢様よ!」
吸い込まれるような黒髪は首元まで伸びていて、日本人形のように整った顔立ちの女の子は、まさに純日本人美少女といえるだろう。
微笑みを浮かべれば、芸術作品として評価されるのではないだろうか。
ニンマリと口角を上げ、自信満々の目をしたドヤ顔でなければ…。
うわぁドヤ顔似合ってんなぁ~。同い年かな?
まぁこれくらいの年齢ならかわいらしいか。
「初めまして。僕は大樹充一郎です。ちなみに不法侵入ですよ?」
不法侵入なんて言葉はわからないかな?
「え? 不法侵入じゃないわよ?」
ん? 親戚の子なのか? いやでも両親は誰か来るなんて言ってなかったしなぁ。
「だって私、藤原のお嬢様よ! 不法侵入になるわけないじゃない!」
あっ…おバカさんだったのか~。子供だし仕方ないね~。
「へ、へ~そうですか。してお嬢は何用でこちらに?」
「お嬢!? 初めてよそんな言い方!」
「でも悪くないわね。なんというか親近感が湧くわ! これからはそう呼んでいいわよ!」
腕を組み、ご満悦な表情をしてドヤ顔をしていた。
「ははっ~。ありがたき幸せでございます」
とりあえずノッてみたが…ドヤ顔疲れないのかな~。てか帰ってくれないかな~。本を読みたいんだけどな~。
「良い忠誠心ね! ところで魔術について勉強しているの?」
「ええ、そうですよ。魔術を使ってみたいので、これから練習するところです」
「その年で中々殊勝な心掛けじゃない。いいわ! 認めてあげる!」
「ありがとうございます。お嬢」
わ~い幼女に認められたぞ~…帰ってくれオジョトラマン…
「褒美に私が魔術を教えてあげるわね! まずは魔素を使った火の魔術についてよ。」
え、何言ってんだこのお嬢早く帰ってくれ。俺の貴重な時間が…。
「お、お嬢…大丈夫ですよ。僕一人であっつぅう!」
お嬢の手のひらに火が発現し、球体を保ったまま揺らめいている。
「あら? ごめんなさい。ちょっと距離が近かったわね。」
二度死ぬかと思ったぜ…。しかしこれが魔術か。
「だ、大丈夫ですお嬢。そんなことよりそれが火の魔術ですか?」
「まあそんなところね。ただ単に魔素を操って燃やしてるだけよ?」
おお…これだ。これだよ、この未知な現象…俺が待ち望んでいた要素。
何が幼女だ。魔術が使えるなら、やり方はある程度理解しているんだろう。
なら俺がすべきことはただ一つ……。
「お嬢!!俺に魔術を教えてください!」
決まったぜ…。
見事なジャパニーズ土下座だ。
下が地面で足が痛いが、そんなの関係ない。
誠意を見せなきゃ始まらんのさ。
「ふふっ。誠意の見せ方もわかってるのね。ますます気に入るわ!」
「良いでしょう。私藤原耀子が師匠になってあげるわ!」
「感無量でございます。お嬢」
こうして俺は、耀子お嬢の弟子になった。
幼女の弟子って興奮するじゃな…まだ性機能が発達してないのよね…
ありがとうございます。
いかがだったでしょうか?
わかりやすく書けているかな...
コメント・ご指摘等いただけたら幸いです。