第一話「異世界に憧れていた時期が僕にもありました。」
異世界到着~
あん? …なんだここ? 真っ暗だ。それになんだか動きづらいなぁ。
俺って死んだんじゃないのか? 意識があるし助かったのか?
妙に体が動きにくいし、拘束されて暗室にでも放り込まれたのかもしれないな。
数十人まとめて処刑にするって言ってたし、周りに誰かいるだろうか?
「ウ…ウワァア……ワァ?」
あれ? 日本語喋れてる?
「ウォ…ハァ…ハァアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!」
あっるぇえええ!!!??? しゃべれぬ!!!
それに自分の体じゃなくない??縮んでない??
黒ずくめにお薬飲まされちゃった!!??…テロリストだわ…。
うお、なんか浮遊感が、それに揺れてる?
「―――、――――、――」
ん? 聴き取れない。海の中にでもいるみたいだ。
あぁ…疲れてんのかな…眠く…なってきたわ…。
俺は意識が芽生えてから、1,2時間の周期で寝ては起きてはを繰り返していた。
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一か月ほどたったころには、自分の身に何が起きたのか理解した。
ここは子供部屋のようで、母親に抱かれている。
(今の名前は大樹充一郎。俺はあの男に刺されて確かに死んだ。しかし今はこうしてママのおっぱいを吸っている...。)
(やばい。もうやばい。転生という夢が叶った。ありがとうテロリスト。いややっぱ許さん。)
(...だけど、なぁ?)
おっぱいを吸わせていただいている、ママの服装を見てみる。
ゆったりとしていて、かつ丈夫な触り心地。
でも高級感はないが機能性は高い。
何というか、よくある中世ヨーロッパな感じがしない。
前世でもよく見てた感じがするしね。
この前父親も見かけたが、剣は持っていなかった。
イケてるメンツは持っていたけどな!
(ここは剣と魔法のファンタジー世界ではなく、普通の現代に再転生したってことなんか?)
メイドも見当たらない。洋風な建物もない。どちらかと言うと和風。
剣も杖も見当たらない。両親の食べている飯も見たことがある。
(はぁ~~~。転生すんなら魔法つかわせてくれよ~。猫耳メイドくれよ~。)
不機嫌な顔でおっぱいを吸っていく。
「あ、あれ…?充一郎?おいしくないのかなぁ?」
ママが不安そうにしている。そんなことあり得ません。美人のおっぱいです。
めちゃくちゃおいしいです興奮しま…しないんだよなぁ…。
「キャッキャ!」
とりあえず笑っとけば何とかなる。
ほら、嬉しそうな顔してやがるぜ。
それに剣と魔法がなくても今の状態は強くてニューゲームだしな。
人生イージーモードでクリアして、ママに恩返ししてあげよう。
ついでに親父にも。
こんな調子で俺は、年を明けようとしていた。
????年12月31日
家の人達がそれなりに忙しなく動いていた。
なんて言ったって今日は大みそか。
めずらしく親父も家にいて年越し準備をしている。
俺はベッドに寝かされて、暇してるけどな!
しかし、大みそかって…ホントに現代なんだな…。
ワンチャン大学生並に異世界ワンチャン!していたんだが、もうダメそう。
まぁママは美人で親父はイケメンだし、俺もいいとこ行くだろう。
家も大きいし、幸せな家庭に生まれた俺は幸運だな。
これ以上の文句は万死に値する。
ゴォ~~~ン……
お~、風情だねぇ~もうすぐ年明けか…。なんもしてねぇわ。
そういえば、今何年かな?
俺が死んだのが20○○年だし、+1年ってところかな?
いや、何年か経った未来ってこともあるかもしれない。
…う~ん、だったらもっとオーバーテクノロジーな物があるか。
家のテレビ少し古いやつだし。
「―――、さぁ皆さん!カウントダウンを始めましょう!」
お! 年明けるか。ガ○使見ない家庭でよかったよ。
「―――、3,2,1、あけましておめでとうございます! 5016年になりました!」
「は? はぁあああああああああああああああああああああ!!!!!」
年明けどころではなくなってまいりました。
俺に驚いている両親も含めて。
ありがとうございました。
いかがだったでしょうか?
コメント・ご指摘等いただけたら幸いです。