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神童セフィリアの下剋上プログラム  作者: 足高たかみ
第五章 【魔族領】
259/284

2歳3ヶ月 11 ――― 本当にごめんなさい



 ロクスウォード勢力の急襲から二時間ほどが経ち、陽もすっかりと沈んだ頃。

 敵をどうにか退け、ようやく人心地つけるはずだった私は現在……なぜか軟禁されていました。


「お嬢様、もうお腹はいっぱいですか?」

「えっと……そうだね。だからちょっと、おそとに―――」

「だめですっ!」


 直前まで、憔悴の中にも安堵が見て取れたケイリスくんの表情が、途端に強張って泣き出しそうになってしまいます。さすがにそんな表情をされて自分の意思を押し通せるほど、図太い神経は持ち合わせていません。


 そう、私たちがあの獣王の陵墓から脱出してからというもの、ケイリスくんは私を一秒たりとも離してくれなくなったのです。

 それどころか、馬車で私に割り当てられた小さな個室からさえ出してもらえない始末。

 カーテンがほとんど閉められた薄暗い室内は、あの獣王の陵墓以降、金色にぼんやり発光し続けている私の身体によって照らされていました。


 今まではロヴェロさん……もといルルーさんが私の料理を作ることに、何やら不満を抱えていた様子のケイリスくんでしたが、しかし彼はそのこだわりすらも捨てて料理をルルーさんに丸投げし、運ばれてきた料理を異様なくらい入念に毒味してから、私に一切食器を触らせることなく食事させているわけです。


 ……まぁケイリスくんの生い立ちを思えば、辛い過去を乗り越えてせっかく手にした仲間(かぞく)を、またしても失いそうになったのです。これだけ神経質になる気持ちもわからないではないのですが……これはあまりに行き過ぎな気もします。

 けれども今の状態の彼に何を言っても意味はないでしょう。今はこうして、みんなが無事に生き残ったという事実をゆっくり時間をかけて受け入れ、心を落ち着かせるしかありません。


 しかし、それでも私には……今このタイミングでしか果たせない大切な用事があるのです。

 同じ個室の窓際で、剣の柄に手を触れたまま窓の外を凝視し続けているネルヴィアさんに、私はそろりと声をかけます。


「あの、おねーちゃん……?」

「なんでしょう」


 ゾッとするくらい抑揚のない、冷たい声。これがネルヴィアさんの口から発せられているなんて、少し前までの私だったら想像もできなかったはずです。

 ついさっき、回収して捕虜にしたロクスウォード勢力の魔族を、ルルーさんとルローラちゃんが尋問するということで、私はその場に同席しようとしました。その瞬間、ケイリスくんは半狂乱になって猛反対し、レジィを含めた獣人族全員から批判的な視線を向けられ……



 そしてネルヴィアさんが、ブチギレました。



『いい加減にしてくださいっ!!』


 その悲痛な声は、今も私の耳朶(じだ)に残響しています。

 彼女は今まで聞いたこともないような大声で私を怒鳴りつけると、無茶ばかりして危険に飛び込んでいく私への不満や苦悩を、涙を流しながら訴えました。

 もちろん私としては無茶をしているつもりなんてないわけで、たまたま私が適任である役目を引き受けているだけに過ぎないのですが、周囲はそんな理屈で納得することができなかったようです。


 思えば、かつて帝都でリルルの計略に陥れられた際にも、共和国で黒竜に挑んた時にも、私の身を案じて安全な場所へ引き留めようとする仲間たちの言葉を、私は半ば強引に押し切ってきました。

 今日、ネルヴィアさんがとうとう爆発させたその不満は、言うなれば私の関係者全員に昔から共通する想いだったらしく、その場で私に味方してくれる人はいませんでした。


 やがてネルヴィアさんは泣き崩れてしまいながらも、もし私が再び家族の意に反して戦いに赴くようなことがあれば、その時は自害すると漏らしました。

 その言葉にレジィとケイリスくんが同調したことで、私はもう完全に降参です。

 そもそも私が戦う動機は家族の安全を確保するためというのが主なので、私の大切な家族が死ぬとまで言って止めるのであれば、戦う理由なんてありません。私だって好き好んで戦っているわけではないのですから。


 そして今この時 私が果たしたかった用事というのは、戦いに行くわけでも、ロクスウォード勢力の捕虜と接触したいわけでもありません。

 一瞬だけ私の方を振り向いて、泣き腫らした赤い目を怜悧に細めるネルヴィアさんに、私は勇気を振り絞って口を開きました。


「レジィと、おはなしがしたい……んです、けど……」

「……」

「あの、レジィはきょう、やっと族長さんのかたきをうてたわけで……それなのに、そのよいんにひたるヒマもないまま、ロクスウォードたちがおそってきたから……その……」

「……わかりました」


 ネルヴィアさんは言葉少なに窓際から離れると、そのまま部屋から出て行きました。

 それからしばらくして、部屋の扉を軽くノックする音と共に、レジィが姿を現します。


 私はレジィに近くへ座るように促しながら、さりげなくケイリスくんを見上げました。できれば二人っきりで話したいことだったので、そういう意図を含んだ視線だったのですが……ケイリスくんはひどく狼狽しながらも、私を抱く力を強めるばかりでした。

 ……まぁどうしても二人じゃないと話せない内容ではないので、私が諦めて話を始めようとすると、


「ケイリスさん。ここは大丈夫ですから、私といっしょに外の空気を吸いに行きましょう」

「でも……」

「帝国最強の魔導師様が三人がかりで警戒しているんです。私たちはひとまず心を休めましょう。ね?」


 そう言ってネルヴィアさんがケイリスくんの手を優しく握ると、ケイリスくんは少し名残惜しそうな目を私に向けてきます。しかし私が無言で彼の胸の中からベッドへ降りると、彼はネルヴィアさんと手を繋いだまま部屋の外へと連れ出されていきました。


 ネルヴィアさんの言う通り、現在この馬車の周囲は私とルルーさん、リュミーフォートさんの三人が全力で警戒しています。私はこの周辺一帯に何重もの結界を張り、さらに頭上数十メートルから常に昼間のような光を降り注がせることで、数百メートルにわたり“影”を遮断。ダメ押しに上空から地下まで含めた周辺各所には、黒い石対策の罠を無数に張り巡らせています。

 その上で、黒い石による無効化が効かないルルーさんの生物的・物理的な知覚網と、現在も馬車の天井に座りながら神経を研ぎ澄ませているリュミーフォートさんの野生感知。

 これだけやってダメなら、もう何をやってもダメでしょう。


 ネルヴィアさんとケイリスくんが出て行った扉をしばらく眺めていた私は、それからレジィへと視線を向けます。普段のレジィであれば、私と二人っきりになった途端にごろにゃんモードとなるものですが、さすがに今の彼は真剣な表情を崩さないまま、私の言葉を待っていました。


「……まずは、おつかれさま」


 意識して笑みを浮かべながらそんな言葉をかければ、レジィもようやく硬い表情を和らげてくれます。


「……なんか、変なんだ。あの野郎を倒したら、もっと心がすっきりすると思ってたんだけどさ……」

「とちゅうで、いきなりロクスウォードたちがよこやりをいれてきたからかな?」

「それもそうなんだけど……なんていうか、アレで良かったのかなって……。いや、なに言ってんだろうな、オレ。ははっ、まだ混乱してるみたいだ」


 そう言ってレジィは、照れくさそうに頬を掻きながら、複雑な笑みを浮かべました。


 ロクスウォードたちに利用されるだけされた挙句に、口封じとしてあっさりと無残な死を遂げたヨナルポカ。

 レジィはヤツに同情……とまで行かないまでも、その死を素直に喜ぶことができずにいるようです。


 物心ついた時から両親がいなかったのだというレジィは、前族長さんを親代わりとして慕っていたという話です。

 そんな前族長さんが殺害された直後は、弱い者が悪いという魔族の掟もあって、複雑な気持ちを抱えるだけだったのでしょう。それが私たちとの暮らしの中で、人族寄りの感性を少しずつ学んで、育んでいって……大切な人の死を悼むことを知りました。


 前族長さんを殺害したヨナルポカは絶対に許せない。けれど、ヤツもまた哀れな駒の一つにすぎなかった。そのため感情のやりどころがわからなくなっているようです。


「あんまり、むずかしくかんがえるひつようはないよ」


 私は努めて気負いなく、何でもないことのように答えました。


「わるいことをしたヨナルポカには、ばつがくだった。こんどはロクスウォードたちのばんだよ。それで、ぜんぶがおわってもまだモヤモヤがなくならないようだったら……わすれちゃったほうがいい」

「忘れる……?」

「そう。それはきっと、かんがえてもしょうがないことだから。だったらおわったことにいつまでもこだわってないで、あたらしいことにめをむけなくちゃ」

「……そっか。それもそうだな。いつかこのモヤモヤも、忘れられるかな?」

「わたしがわすれさせてあげる」


 何の気なしに私が口にしたその言葉を聞いたレジィは、途端に顔を真っ赤に染めて、獣耳と尻尾をピーンと立たせました。え、なにその反応。どういう意味?

 それからなぜか狼狽しまくるレジィは「あぅ」とか「うにゃ」とか漏らしていましたが、しばらくしたら咳払いと共に気を持ち直したようです。まだ顔は赤いけど。


「と、とにかく……ご主人。オレたちのためにここまで協力してくれて、ありがとな。オレはご主人と出会えて、ご主人といっしょにいられて、ホントに幸せだ」


 屈託のない笑顔でそんな嬉しいことを言ってくれたレジィに、私はちょっぴり熱を持った頬を手のひらで冷やしながら はにかみます。


「みんなのために、なにかしてあげられたならよかったよ。これからもみんなになにかあったら、わたしが ちからになるからね」

「いや、それはいい」


 断固とした口調で、レジィが首を横に振りながら即答しました。

 まさかそんなことを言われるとは思わなかった私は、思わず「……え?」と間抜けな声を漏らしてしまいました。


「な、なに? どういう……」

「オレは今回、守るってことの大変さを知った。あの黒いゴーレムの時も、ヨナルポカとの戦いでも、『凶爪』のヨングとの戦いでも、オレは仲間を守りきれなかった。お互い対等な状況での一対一なら、勝てる自信はあった。それなのに、仲間を守り切れなかった。守りながら戦うってのはホントに大変なんだって、思い知らされた」


 そう独白したレジィの赤銅色の瞳が、悔しそうに細められました。

 彼は苦しげに胸元を押さえながら、懸命に私へと訴えてきます。


「ご主人を守るんだって息巻いてたけど、さっきはオレもネルヴィアもほとんど役に立たなかった。ご主人にとっては足手まといにしかならなくて、戦えないケイリスとほとんど変わらないって痛感した」

「そ、そんなこと……!」

「どうしてご主人が、前に『死神』と戦った時、オレたちを連れて行きたがらなかったか……今ならよくわかる」


 死神……エクセレシィとの戦いのことを持ち出されたら、私は黙るしかありません。

 たしかに私はあの戦いへ赴くにあたって、守るべき仲間を連れて行っては勝てないと思い、一人で戦いに臨んだのですから。

 どんな綺麗ごとで飾っても、そんなつもりじゃなかったとしても、私が家族を足手まといだと斬り捨てた事実に変わりはないのです。


「さっきオレから、あいつらを説得した。獣人族は全員、ご主人の村に戻らせる。……守る人数は、少ないほうがいいだろ?」

「ぜんいん……って、まさか……」


 レジィや獣人族のみんなを連れてきたのは、前族長さんに関する因縁を断ち切る場面を見届けてもらうためでした。最悪彼らが勝てなくても私が横槍を入れて、せめて仲間の仇を討つ瞬間を共有させてあげたかったのです。結果としてレジィとアイルゥちゃんが代表して戦うことになっていましたが。

 彼らにとっては少々納得のいかない結末だったかもしれませんが、それでもヨナルポカの最期は見届けました。だからこそ彼らもレジィの説得に応じたのでしょう。


 だけど、獣人族全員ってことは……


 この不穏な話の流れでレジィが言わんとしている最悪の提案を予感した私は、青ざめながら身を乗り出しました。

 そんな私に対して、レジィはひどく思いつめたような表情を浮かべながら、


「オレも…………オレ、は……」


 表情を苦悶に歪めたレジィが、やがて瞳に涙を浮かべながら立ち上がり、対面のベッドに腰かけていた私に縋りついてきました。


「……イヤだっ! オレはご主人に、ついて行くんだ! もっと、もっと強くなるからっ……! いつかご主人を守れるくらい、強くなるから……だからっ……!!」


 私の胸に縋りつきながら大粒の涙を零し、それでもまっすぐに潤んだ瞳で私を見つめてくるレジィ。そんな彼の悲痛な訴えと叫びに、私は胸が締め付けられる想いで、彼の頭を胸に抱きしめます。

 本当なら私たち魔導師組だけでスピード解決してしまうのが良いのでしょう。それが一番こちらの被害も少なく、また迅速に事を運ぶことができるのかもしれません。


 それでも、私は……


「わたしだって、みんなといっしょがいいよ……! それが かしこいやりかたじゃなくても、きけんをともなうことだったとしても、すこしでもみんなといっしょにいたい!!」




「よくぞ言ったね」




 突然近くの窓から、上下逆さまになったリュミーフォートさんがぶら下がってきました。

 驚きすぎて「うっひゃあ!?」と変な叫び声を上げてしまいましたが、咄嗟に魔法を暴発させなかった自分を褒めてあげたい!


 そんな私の様子にも構わず、リュミーフォートさんは馬車の屋根からぶら下がった状態のまま話を続けるようです。


「強くなりたいなら、私が面倒を見る」

「え……リュミーフォートさんが?」

「そう。私は『鍛錬(バルビュート)』のリュミーフォート。人も鋼も鍛えるのが役割」


 なんかすごいかっこ良さげなことを言っているような気がするのに、上下逆さまなのでいろいろと台無しです。

 けれどそれでもレジィは瞳を輝かせて、期待に胸を高鳴らせている様子でした。


「ほ、ホントにあの『バルビュート』が鍛えてくれるのか!?」

「ほんとだよ。あとネルヴィアも鍛える」


 そう言いながらリュミーフォートさんが首を回すと、馬車からやや離れた岩の上でケイリスくんと話していたらしいネルヴィアさんが、目を丸くさせて驚いています。


「私の鍛錬は厳しい。やりたくなければ無理強いはしない」


 そう言い切ったリュミーフォートさんに、ネルヴィアさんは座っていた岩から立ち上がって問いかけました。


「強く……なれるのでしょうか? セフィ様の隣にいられるくらいに……」

「セフィリアに勝つのも、私たち魔導師に勝つのも無理。ロクスウォードにも難しい」


 取り付く島もないくらいバッサリと斬り捨てるようなリュミーフォートさんの言葉に、ネルヴィアさんもレジィも言葉を失ってしまいました。

 しかしリュミーフォートさんはまったく気にした様子もなく、当たり前のことを当たり前に説明するかのごとく、いつもの囁くような口調で続けます。


「それでもネルヴィアとレジィがもっと強ければ、さっきの戦いは楽だった。私はあの男にだけ集中できたし、ルルーも妖精をあえて倒さずに引き付けておく必要はなかった」

「……!」

「そもそもやる前からすべて思い通りに行くかなんて誰にもわからないし、わからないから諦めるくらいなら大した信念じゃない。そんなものを私が鍛えたら、折れてしまうよ。―――(なまくら)を鍛えるつもりはない」


 ともすれば心を折るような厳しい口調でしたが、しかしそれを聞いたネルヴィアさんとレジィの瞳に、力強い何かが灯ったような気がしました。

 それから二人はリュミーフォートさんへ足早に近づいていくと、最敬礼で深々と頭を下げました。


「ユジャノン魔導師閣下! どうか私たちをご指導ください!!」

「ご主人を守れる力が欲しいんだ! 頼む!!」


 二人の懇願を、どこか満足げにも見える無表情で見守ったリュミーフォートさんは、「ルルーの拷問が終わったら、鍛錬を始めるよ」とだけ言い残し、再び屋根の上へと引っ込んでいきました。


 ルルーさんは現在捕虜の尋問に意識を割いているので、それが終わるまでは見張りから離れるわけにはいかないということでしょう。

 ……あれ? 今リュミーフォートさん拷問って言わなかった? 私の聞き間違い……かな? そうですよね?

 あの透明になる竜人と、それから私の長距離狙撃によって新たに確保できた捕虜二人の末路に仄かな同情を覚えました。


 まぁそれはともかく、じつはリュミーフォートさんはヴェルハザード皇帝陛下の剣術・武術における師範です。そして彼女の鍛錬は相当に厳しいということを、以前陛下と二人でお茶をした時に彼が愚痴っているのを聞いたことがあります。

 なのでネルヴィアさんとレジィが同じようにしごき倒されてしまわないように、釘を刺しておいた方がいいでしょう。


 私はちょっと窓に近づきながら、屋根の上にいるであろうリュミーフォートさんに聞こえるよう、大きな声で叫びました。


「あのぉ、リュミーフォートさーん! あんまりあぶないこととか、むちゃはしないでくださいねー!」

「ご主人が言うなよ」

「セフィ様が言えることじゃないです」

「お嬢様が言わないでください」


 私の言葉尻に被せるようにして、その場にいた私の家族たちが声を揃えて漏らしました。

 あれれ、みんな随分と息がぴったりなんだね……?


 なんとなく疎外感を感じながら居心地悪く縮こまっていた私でしたが、その時自分が羽織っていた軍用外套の内側で振動しているものに気が付きます。これは私が『死神』の片割れである白翼少女・ネメシィとの連絡に使っている、魔導携帯電話です。

 私は慣れた手つきでそのガラケーみたいな形状の金属板をパカリと開くと、耳に添えます。ネメシィが持つ遠話能力で会話するんですから、べつに耳に当てる必要は全然ないんですけどね。


「もしもし」

『セフィリアちゃん! ごめん! ごめんなさいっ!!』

「えっ!? なに、どうしたのきゅうに!?」


 開口一番に謝罪をしているネメシィに、いったい何事かと私も焦ります。

 私の座標を中心に響く声は、いわばスピーカーフォン状態となります。なので近くにいる人たちにもその声は聞こえてしまうのですが、それは問題ない話題なのでしょうか? 今ちょっと私は家族の中で立場が弱いので、秘密の話題とか出されると困るんですけど……!

 そんなのん気なことを考えていた私の心配をよそに、ネメシィが謝罪と共に伝えてきた内容は、とんでもないものでした。



 曰く、エクスリアと二人で、ロクスウォード勢力の本拠地を壊滅させちゃった。てへっ。


 曰く、そいつらから引き出した情報を元に、各地にある拠点も全部壊滅させてきたよ。すごい?


 曰く、歯向かって来た魔族は全員半殺しにした上で散々脅して、別の大陸に捨ててきたよ。褒めて褒めて。




 曰く―――現在すべての『黒い石』を手にしたエクスリアが、セフィリアちゃんともう一度戦うと言い残して姿を消しちゃった。本当にごめんなさい。




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