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取り扱い不可能な説明書
3,
「ただいま」
誰もいない家に呟き、そのまま俺は自分の部屋へと向かった。
説明書をバッグから取り出し、ベッドに座りながら開いた。
「まずは基本事項だけでも読むか」
俺は昔からゲームを買うとまず説明書を完全に読破したくなる癖がある。
その性で大体ゲームプレイは買った日の2日後。
呆れると思うがそれだけは治せない癖なんだ。
基本事項。
ASRの世界、グリーンワールドでHPが0になった場合は退学処分となる。
グリーンワールドでミッションやドロップアイテムとしてクリスタルが出ることがある。それを集め、集めた個数で個人の成績が決まる。
ASRでのパラメータは学期試験に寄って決まる。
グリーンワールド内は各クラスで5つのエリアに分かれていて、そのエリアはメインタウンを中心に広がっている。
自分のエリアに他クラスが入った場合、他クラスに対し攻撃を許可され、街に侵入した場合、デリート(HP0)する事を許可される。
それ以外での共存エリアなど同クラスのデリートは禁止とする。
禁止事項を破った場合はレッドプレイヤーとなり自分のクラスのメインタウン以外の場所に移動ができず、武器屋などのお店の使用もできないようになる。
その他に……。
「うわ、結構あるな。 これは徹夜を覚悟しなきゃな……」
明日から始まるASR。楽しみという気持ちと不安な気持ちが入り混じる。
そんな感情を持ちながら俺は説明書を1ページずつしっかりと読んでいった。