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俺らは静裏と合流し、「遅い」だの「信じらんない」だのと罵られたがもちろん何も反論は言えない。言ったら斬られそうだからな。
そして、ミッションの報告を送信しクリアした俺らはグリーンワールドを後にした。
***
「それじゃあまた明日」
そう言って手を振るオタクくんに俺も手を振っていたのだが。
一つ疑問がある。
それはなぜ俺の後ろにずっと静裏がいるのかということだ。
「あれ、静裏さんってこっちの道だっけ?」
「こっちから……でも……バス停には……行けるから……」
「へ〜、そ、そうなんだ」
「……うん」
……。
…………。
………………。
なにこの沈黙!めちゃくちゃ辛いな!な、なんか話題を出さないと、なんかないか。うーん。うぅ。
「それと……あ……」
この沈黙の空気にしゃべりかけたのは静裏さんだった。
「え?」
まさか静裏さんの方から先に話しかけてくるとは思ってなかった俺は聞き逃してしまった。
「……明日は……もっと……ごーるど……かせごう……」
「あ……うん! 頑張ろうね!」
下を向いたままの静裏さんに向かって俺は笑顔で言った。
分かれ道のところで静裏さんは立ち止まり左の道を指差して「……私……こっち……」と言って俺らは別れた。
それにしても静裏さんはほんと不思議な子だな。今の静裏さんとASRでの真静裏の違いがすごすぎて恐ろしい。
まあ、俺も人の事言えないよな……。
過去のオンラインゲームでの嫌な記憶がフラッシュバッグされていく。
『君、僕たちと一緒にパーティー組まないか?』
『悪いな。あいにく俺はソロプレイヤーだから誰とも組む気はない。 他を当たってくれ』
なんてカッコつけてたっけな……うぅ胸が痛むな。
たしか、その時はアニメに影響されてた頃だった気がする……。
思いだしたくない痛い記憶を思い出しているといつのまにか俺の家の前に着いていた。