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メニューボックスから映し出されたのは“ビギナーミッションNO1”だった。
右手でスライドさせて続きを読むと、そこには。
ビギナーミッションNO1。
パーティーと合計で150Gを集めよ!
締め切りは今日まで。
と書かれていた。
「それじゃ、まずは街を回ってみようか」
そう言うとオタクくんはメニューボックスからマップを映し出した。
俺もメニューボックスを開き、道具と装備を確認してみると、道具はポーションが5つだけで装備は布でできた服とズボン、初期片手剣、初期両手剣、初期盾が入っていた。
「武器を今のうち装備しようか」
オタクくんに「うん」と返事をして武器を装備した。
俺は武器を片手剣にした。武器を決定すると背中に武器がセットされた。あと盾も。
オタクくんも短剣と盾をセットしたところで気づいたが静裏さんの姿が見当たらない。
俺とオタクくんがキョロキョロして探していると。
「あんたらいつまで準備に時間かけてるのよ!」
こ、この声はまさか!?
俺の目の前の岩に立っていたのは、俺が知っている限りでは基本無口で冷静の静裏朱里だった。
静裏さんは腕を組み仁王立ちしていた。さっきまでの彼女の様子では考えられないポーズィング。
「なにガン見してんの? ぶった斬るわよ!」
静裏さんは俺に向けて両手剣を抜いた。
「お、お、落ち着いて」
こ、これってあれか。よくオンラインゲームで性格変えてなりきったりするやつか……?
「ははは」
オタクくんなんか苦笑いしている。こ、壊れた?
「オタメガ!さっさとフィールドに出る出入り口教えなさい?」
「オ、オタメガ? あっ、はい!」
まさかのニックネームの変更。たぶんオタクのメガネってことかな。
そして、フィールドに出る門まで着いた。まぁ、一人5個つまり全員で15個のポーションがあるから、そう簡単にHPが0になることはないだろ。
「じゃ、300G手に入れるわよ!」
あれ?2倍になってない?150Gでいいんでしょ?
「諦めよう……」
オタメ、オタクくんが静裏さんに聞こえない声でそう言うと俺は黙って頷いた。
そのまま俺らはフィールドへ向かい、門を出て、目の前に広がる光景は、どこまでも緑一色、右も左も草原だ。
俺とオタクくんが目を輝かしてみていると。
「なにぼーっとつ立ってんのよ! さっさと戦うわよ」
人がせっかく感動に浸ってるというのにまったく、ASRの静裏さん、いや、真静裏はどんだけ戦いたいんだよ。戦闘民族なのか?
少し歩いてると草原にモンスターがうろついている。見た目は狼のような野良犬のような感じのと俺の身長はあると思われる大きな鳥が吠えながらうろうろしている。
「意外と迫力あるな……」
「……だ、だね」
「ほら、ビビってないでいくよ」
と俺とオタクくんが真静裏に引っ張られると敵との距離が近くなり戦闘状態に入った。
戦闘状態に入ると敵モンスターの頭上に名前が表示されるようになっている。
敵の名前は【ウルフ】。やっぱ狼か。でもリアルで本物みたいだな。ちょっと怖いも。
「よし、ここは協力してってちょっと!」
そんなオタクくんを無視し、先制攻撃をしたのが真静裏!
「はぁ!」
真静裏の両手剣はウルフの背中を切りウルフの頭上にあるHPバーがあと四分の三になる。
さすが両手剣だ。武器の中で一番の攻撃力。だが、盾が持てないから防御が薄いところが弱点だ。
ウルフが静裏を攻撃しようとした瞬間に俺が後ろから片手剣で斬る!攻撃したと同時にCritical hitの文字が表れた。
敵モンスターの後ろから攻撃するとCritical hitになりやすく、俺らプレイヤーも後ろからの攻撃は大ダメージを食らいやすい。だから、できるだけ敵に背中を見せないようにして戦うのがベストだ。
「グァァ!」
ウルフも黙っているわけなく、静裏に攻撃、それを俺の盾でカバー。その隙にオタクくんが短剣で突く。
そして、ウルフのHPが0になり、一瞬で消えた!
すると俺らの目の前に経験値とドロップアイテム、そしてゴールドの表示もされた。
「今のを倒して10Gもいかないのね」
そう真静裏が不満そうに言う。
たしかにこんなに頑張ってこれぽっちじゃ、体力より精神面の方が辛い。
「なんかすごくジャンプ力上がってないか?」
「たしかに、あたしもいつもより高くジャンプしてた気がする」
たしか、この地面は以上なほどの柔らかさと反発力でできたクッションらしい。だから、俺らのジャンプ力が上がった気がするようだ。
「じゃ、どんどん狩るわよ!」
剣を突き上げ、そのまま次の敵に向かって走る真静裏を俺たちは慌てて追った。
更新遅れてすいません。白川みつきです。
今回は休んだ分多めに?書いたつもりです!
次回はしっかり更新するので見てくださると嬉しいです。
ではでは。
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