1
4階へ階段で上がるとそこには巨大な黒く青い扉が。
で、でかい。俺の身長の3倍はあるだろうデカさだ。
「なんかわくわくしてくるな〜」
オタクくんが見るからに"早くこの扉の向こうに行きたい"という顔をしている。
「うん!」
俺もドキドキ、わくわくしてる!
これがボール7つ集めてる漫画の主人公の気持ちか〜。
そんで静裏さんはー。
相変わらずの冷静。この子ゲーム好きなのかな?就職狙いの子なかのかな。
そう、この学園に入学する生徒は2パターンあって。
その1つが俺やオタクくんのようなゲームが好きで来た生徒。
2つ目が大企業への就職、難関大学への推薦を望んで来た人。
ちなみに後者の理由の方が多いらしい。
だからASRとか嫌なのかな?
「……ふっ」
今笑った?いや、気のせいだよな……。
うん、気のせいだ。
そして、長谷川先生が話し始めた。
「では、これから〜みなさんには、ASRに入ってもらいま〜す! 終了時間は午後7時までそれまでに戻らないとペナルティーになるから〜、気をつけてね!」
出たよウィンク。
「あっ、あと〜、みんながASRに入ったら、今日のミッションが出るから、頑張ってね〜」
先生はそう言い、俺らに手を振っている。
ミッションというのは、某ゲームで言うクエストのようなものだ。
説明書によると学校側からとASR内のCPUキャラクターからも出されるようだ。
これをクリアするとクリスタルや道具が手に入るようだ。
中には必須ミッションもあるようでこれをやらないと成績にも影響するようだ。
そして、先生が手にしたリモコンのボタンを押すと。
扉の真ん中が裂けていき大きな音を立てて開かれた。
「そのまま、ゆっくり進んでね〜」
開かれた扉から現れた薄暗いトンネル?のような一本道。
周りのクラスメイトはぞろぞろと歩き始めて、俺らもその後を追って、突き進んだ。
歩いてるうちに気づいたがいつのまに俺らの服装が変わっていて、青色の布の服と、足首が見えるくらいの少しぶかぶかのズボンのような格好で、いかにも初期装備って感じになっている。
そして歩いて3分が経ち。道の先に光が見えてきた。
そして、この一本道を抜けた先にはー。
どこまでも続く青空。華やかな家並み。
ところどころには花や木もお茂って、奥には大きな噴水もある。
まるで、RPGの街!
そう、俺らはついにASRに来たんだ!
周りの生徒たちもみんなは「お〜」「うわ〜」「すげー!」「きゃー」という喜びの悲鳴をあげている。
今、俺らの目に映っているこの光景はすべて木や石で一個々作ったのではなく、すべて映像にすぎない。
しかし、今ここで立っていたり、街に触れたりできるのは全て、今、首に着けている白い首輪のおかげなのだ。
この時代に生まれて良かったーと心から思うよ。
ピリリピリリ。
色んな所からこの音が鳴っている。
この音の正体は俺の左手の中にあるメニューボックスから鳴り響いている。
握っいた手を離すとメニューボックスは自動的に空中に浮かび俺の目の前に映像を写し出した。
そこには“ビギナーミッションNO1”という文字が。
いつも読んでくださりありがとうございます。白川です。今回は、ついにASRの世界に入りましたが、次回は、咲也たちの初バトルとある人の秘密?がバレると思います。お楽しみに。