放課後死ぬ気で鬼ごっこ?
美琴「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ」
「どこへ行った?探し出して先生に報告だ!!」
「はい!班長!」
今、学校の裏手の山を全速力で駆け抜けている。もちろん授業が終わり、学校ではないのだが………
班長「何処行った!!」
ほら怒声が聞こえてくる。ほんの1時間前までは普通に学校で勉強していたはずなのに………
下っ端「裏手の山に逃げたと報告がありました。」
班長「そうか!山を探す3班は二つに別れて行動だ。一つはおれと共に探索、もう1つのグループは包囲網を作れ!!」
ヤバイな、捕まったら何されるか…………
さっさと山を抜けるのが得策だろ「班長!見つけました!!」
見つかったか!距離があるとはいえ運動馬鹿どもとまともに鬼ごっこしても、捕まってシバかれるだけだ。
どうしてこうなった!!
この騒動の発端は茂のある一言から始まった。
茂「1組の奴が欲しがっていた同人誌が手に入ってな。取引するんだが美琴も来るか?」
そんな言葉にオタク趣味を持つ俺が興味を示さないわけが無かった。
美琴「行きたいけど…………大丈夫か?」
創「美琴が気にしてんのは粛清委員の犬共だろ?あんな奴ら気づくわけないって!」
茂「そうだとも。しかもこの同人誌は幻とも言われたネルイヌさんが作った奴だぞ?」
ネルイヌさんとは一部のマニアに人気のある同人作家で、彼の作品は幻とも言われるほど発行部数が少なくプレミアが付くことで有名だ。
かくいう俺もファンだ!!
だから見に行きたいのは仕方が無いだろう…………
茂「よし!ではいこうではないか」
…………………………………………………これが失敗だった
数々の問題を起こし、いつも粛清委員にシバかれている創と茂がこんなことをして捕まらないわけが無い。案の定、取引相手は捕まっていて取引先と場所まで行く前に彼の仲間が中止だと行ってきた。
それだけで終わるなら良かった。取引相手が粛清委員にシバかれ、茂が同人誌を持っていると口を滑らせた。なんと粛清委員に俺たちをシバかせる大義名分を作ってしまった。
茂「ちきしょう……なぜ口を滑らせやがった!」
創「しかも俺と美琴まで共犯ってどういう事だ、茂!」
茂「知らん、奴らに日頃から厄介になっているから仕返しではないか?」
美琴「おれ、関係ないよね………」(涙目)
しかもなんと俺と創までグルにされ、粛清委員全体から指名手配される始末、しかもその活動域は学校外でも学校から300メートルまである。たぶんこいつ等と仲良くしすぎたのが原因なのかもしれん。
茂「だが俺達も助かる方法がある。証拠が見つからなければいい。要するに家または見つからない場所に捨てればいいんだ」
創「しかし奴らは捨てたところで探し当てるまで続けるだろう…………どうする?」
美琴「だから関係ないよね俺(T_T)」
取りあえず空き教室に逃げ込み対策を練った。さっきから「筋肉と変態と転校生を探せ!」みたいなことが聞こえてくるが気にしないようにしよう。
時間もないので安全策を取ることにした。最初に筋肉馬鹿の創とまずまずの運動神経を持つ茂が二手に逃げ、陽動しつつそれを見ながら本命である俺が逃げる作戦だ。
本当は三人で逃げて、無理なら喧嘩すればいいが、相手は一班10から15名の武闘派集団だ。しかもほとんどが武術や喧嘩馴れしている。そんな奴らに挑んでもお先真っ暗だ。俺らの死亡フラグは目に見えている( ; _ ; )
茂「俺ら二人が引き付ける。少なくとも相手をかく乱させることくらいするつもりだ!」
創「おうよ!奴らには因縁があるからな。ボッコボコにしてやんよ!」
茂「しかし鬼が出たらどうする?」
美琴「鬼?」
創「ああ!美琴は知らねぇのか。鬼ってのはな粛清委員でも群を抜いてレベルが違う化物だ。」
茂「うむ。奴に会ったら終わりだ。喧嘩の強い創でさえ瞬殺されたのだからな……」(^_^;)
それはヤバそうな相手だ。創は筋肉馬鹿といわれているくらいなので喧嘩も強い。粛清委員と真っ向から対決して勝ったこともあるくらいだ。そんな創が瞬殺って俺死ぬんじゃね(´・_・`)
茂「これで作戦会議は終わりだ。今から周りに粛清委員がいないか見つつ実行する」
美琴·創「オーケー!!」
ガラガラと音をたてながら空き教室を出で、学校の裏側まで移動した。幸い粛清委員はまだ学校内のようだ。茂と創は表から逃げることになっているので、もう別れている。
緊張してきたが創がいるので大丈夫だろう。
誰が来ないか緊張していると校門から
「いやがった!あいつらを捕まえろ!!」
創と茂が見つかった!作戦開始だ!
………………………………………………
あれから15分くらいした状況がこれである。
「班長!二班班長朱原が筋肉と変態を倒して連行しました。」
班長「また奴か、あいつばかりいい仕事しやがっ……………くそっ!」
という会話が聞こえたので二人とも掴まったのだろう。しかもそれを聞いたのは10分くらい前である。
美琴「何してんだあいつら!!茂ならともかく創がそう簡単にやられる訳ないのに」ハァハァ
まさか鬼と呼ばれる粛清委員が動いたのか?それなら創がやられたのも頷けるが、どんな人だろう?ゴリラみたいだったら怖いな……
班長「見つけたぞ!!これで最後だ、我ら三班の手柄で先生に報告出来るぞ!」
美琴「うわっマジでお前ら先公の犬かよ!」
下っ端「うるさい!我々を侮辱するな」
さすがに鍛えられている粛清委員といえど広範囲を走り回れば疲れるだろうと思ったが、それでもついてくるのはさすが運動馬鹿どもだ。俺もそろそろ限界が近い。少しずつ近づかれている。
美琴「万事休すか………」ハァハァ
その時、ズルっという音と体が傾くのを一瞬感じ、気づけば坂を転がっていた…………………………………………………
美琴「いてて……俺は坂から転げ落ちたのか………」
周りを見てみると小さい小屋と物置がある。
幸い落ちるところを奴らに見られてなかったので、追っては来ていないようだ。奴らからみればいきなり消えたように見えただろう。どうだ!!(*^^)v
しかしここでゆっくりもしていられない。
その内ここも探しに来るだろう。奴らの執念には頭が下がるよ、ほんとに(泣)
美琴「取りあえず追ってが来る前に逃げ切るか」
ブンッ、ブンッ……………なんだ?この棒を振るような音は?
誰がいるのだろう。気づかれないように見てくるか?少しずつ近づくにつれ見えてきた。女の子みたいだが………………………パキッ(小枝を踏んだ音)、ヤバッ気付かれたか?
?「誰かいるのですか?」
バレたなら仕方が無い、姿を表そう…
美琴「ごめんね、邪魔する気はなか………」
?「どうしました?」
俺は黙ってしまった。理由は真剣?をもっていたからだ。だがそれも一部にすぎない。本当の理由は………………………………………
美琴「めちゃくちゃ美少女なのである!!!」(確信)
美少女「へ?」
ついに新ヒロインが出ました。
次回の話でしっかり説明するつもりです。
あー表現をよくする考えが欲しい。