二重島の掟
二重島の掟。
一つ、二重島に住む者、住んでいたことがある者は、必ずこの掟を守らなければならない。
二つ、島から許可なく出てはいけない。
三つ、島の外で、島に関する情報を話してはいけない。
四つ、島に住む者は、外の者と交流してはいけない。
五つ、島に立ち入る者は、入島許可証または物資運搬許可証を持っていなくてはならない。
ただし島へ移住する場合はこの限りではない。
六つ、島への物資は一週間に一度。応対していいのは、成人の儀を終えた男のみ。
七つ、物資やサービスの要求は誰でも申請することができる。
ただし、島の保護のため申請が通らないこともある。
八つ、島の少年少女は、成人の儀を終えるまで、男女の関係を持ってはいけない。
九つ、島から本島へ移住する権利は、成人の儀を終えた男女のみが所有する。
ただし、女が離島する場合はその前に必ず一人以上子を産み、その子は残していくこと。
男は自身が提供する予定だった労働力(齢六十まで)を残す、または代わりとなる財産を残していくこと。
十、島では五年に一度、二重山の神慰撫祭を開き、山神に感謝の意を伝える。
祭で島姫に選ばれた娘(齢十六から二十)には、特別に島を出る権利を与える。
島姫は島の象徴となる娘を選ぶため、島の住民全員による投票で決定すること。
なお、島姫に選ばれ島を出て行った娘が、島に帰ってきた前例はない。