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第126話 時間制限があるから休みと言う

第126話を公開しました。

休暇編、これにて終了です!

(今回も短くてスミマセン!)

「な、何よ。こんな所に呼び出して……」

「ごめん。ちょっと話したい事があって」


 現在与人はニクスを森へと呼び出していた。

 もちろん他の面々には聞こえない程度には離れているが、何かあればすぐに駆け付けられる程度の距離を保っている。


「で、何なの? 話って」

「ニクス。できれば個々の性格とかスタンスに口出しはしたくないけれど。それでも、パーティの不和になるかも知れないから聞いておきたい。……俺の事、嫌い?」

「は、はぁ!? な、何がどうしてそういう質問になるのよ!」


 ニクスは翼よりも顔を真っ赤にしながら抗議するが、与人の顔は真剣そのものである。


「言い方は……少し間違えたかも知れないけれど、それでも大事な事だ。このエクセードは一応俺を頂点にして成り立ってる。……従えとか言う事を聞けとかは言う気はないし、最悪俺を利用するつもりでも構わない。それでも不和の原因になりそうな事は取り除いておきたいんだ」

「それは……そうかも知れないけれど」


 実際与人の知らないところでは、他のメンバーからニクスに苦言という形で既に釘を何本か刺されているのであった。

 動揺するニクスをよそに与人は目を逸らさずに会話を続ける。


「俺が嫌いならそれでもいい。けれどそうじゃないのなら」


 そう言って与人は手を差し出す。


「是非距離を詰めさせて欲しい。……これから一緒に戦う、仲間として」

「……」


 ニクスは差し出されていた手と、与人の顔を何度も往復しながら最終的には顔を背けながらではあるが与人の手を取る。


「良かった。……これで逃げられたらどうしようかと」

「か、勘違いしないでよね! あくまで仲間として。ナ・カ・マとして! 仲良くするだけなんだから! べ、別に個人的に興味がある訳じゃないんだから!」


 変わらず顔を真っ赤にしながらも、握った手を放さないニクス。

 与人はニクスのこの反応に思わず苦笑する。


「じゃあ皆が来るまで話でもしようか? ニクスの事、いっぱい知りたい」

「し、仕方ないわね。……特別よ?」


 こうして二人は皆が呼びにくるまで、様々な事を話し合ったのであった。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「あ~あ。ここの快適ライフともサヨナラか~」

「ぼやくな槍。縁があればまた来れるだろ」


 その翌日、メンバーは各々の荷物をまとめてレーナの船に乗り込んでいる。

 中にはランの様に名残惜しいと口にしているが、それでも実際に帰るのを嫌がる者は居なかった。


「これで全員……ですね」


 最後にストラが乗り込み、全員がいるのを確認して与人の方を見る。


「では与人様。折角ですので締めの一言を」

「え? ってか来た時にもやらなかった?」


 渋る与人ではあったが、全員から期待の眼差しで見られているためにコホンと咳払いしてから声を張る。


「みんな! 残念ながら休暇は終わりだ。それぞれ楽しんでくれていたら嬉しく思う! 屋敷に帰ったら仕事が待っていると思うけど、また頑張って頑張って行けたらと思ってる!」


 与人は一旦言葉を区切ると、その視線をレーナへと向ける。


「レーナ!」

「おう!」

「出発よろしく!!」


 そして最後に与人は全員を見渡すと、こう締めくくるのであった。


「じゃあ帰ろうか、俺たちの家に」


 こうして、長期に渡る与人たちエクセードの休みは終わりを告げたのであった。

今回はここまでとなります。

次回からどんな展開になるか、ご期待ください!

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