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必滅の魔女  作者: 坂井 ユキ
第二部 魔女と学園
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厄介事の気配

なんだかんだで楽しめたお茶会、ダラダラしまくった週末。

まだ学園が始まって一週間なんだけど、アーシャに布団を無理矢理剥がされるのが随分と懐かしく感じてしまった。

任務でもっと長く屋敷を離れることもあるのにね、不思議。


まぁ、とにかく。そうして迎えた翌週。

再び学園へと通う一週間が始まるわけなんだけど、今日の私は暇をしていた。

いや、授業は普通にあるから暇ってのはおかしいかもしれないんだけどね。

もちろん、サボってないですよ。本当です。


実は、エフィーリア様が急な公務が入ってまだ王城から戻って来てないんだよね。

で、王城にいる時は第一が護衛に付くから私はフリーになる。

そうなると、普段はずっとエフィーリア様と一緒にいるけど、他に親しい人もいない私は完全にぼっちになるわけですよ。


なんだかんだ言って、屋敷にいる時も王城で仕事する時とかも、常に誰かしら近くにいるから完全に一人きりで行動するって言うのは少し新鮮ではある。

よくよく考えてみると、今は私が護衛任務をしてるけど、本来は私も護衛される側なんだもん。

なんたって国家レベルの保護対象になってる『流れ人』ですから。


だけど、実際今この瞬間は話し相手もいない状態だから暇は暇なんだよね。

そんなわけで、せっかくの昼休みなんだけど、時間を持て余して学内を無駄にうろうろとさまよっているのです。


そうして彷徨いていると、いつの間にか中庭に辿り着いた。

学園とは言っても、多数の貴族が通う場所。

たかが学園の中庭と侮ることなかれ。

専属の庭師たちの手によってしっかりと手入れが行き届いている中に、様々な花が鮮やかに咲き誇っていてとても綺麗。

相変わらずこっちの世界の花の名前はよくわかんないけどね。

日本の花と微妙に似てるようで全然違うんだもん、仕方ない。


他にやることもないし、何か目的があって彷徨いてたわけでもないので、そのまま花を眺めながら中庭を歩いていると、生け垣があって少し物陰になっているところから微かに人の話し声が聞こえて来る。


あんまり人目に付く場所じゃないし、正直嫌な予感しかしなかったけど、気付いてしまった以上は聞こえなかったフリをするのも寝覚めが悪い。


ひょっこりと生け垣から顔を出してそちらの様子を覗いてみると、そこにいたのは三人の女の子。


しゃがみこんで泣いている子と、それに寄り添うように屈んでいる残り二人。


泣いている子は見覚えがあるな。

この前の魔法の実技の時、突然立ち止まった私に怯えながら声をかけて来た同じクラスの子だ。

あとの二人は知らない子だけど……。


虐めたりしてるのわけではなさそうだけど、何かあったのは間違いないみたいだ。

二人付いてくれてるから、私が別に関わらなくても大丈夫だろうけど、知らない子じゃないから気になると言えば気になる。


さて、どうしようかな……。


私がそんなことを考えていると、屈んでいた子のうち、片方の子が私に気が付きこちらを振り返った。

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