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必滅の魔女  作者: 坂井 ユキ
第二部 魔女と学園
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人気があるのはエフィーリア様ですよ

そうこうしているうちに入学式も無事に終わり、次は自分達のクラスへの移動だ。


ちなみに、私はエフィーリア様と同じ1組。

1組は、高位の貴族と平民の中でも特待生などの成績上位者が集まるクラスだ。


例年なら貴族の方がクラスに限らず学年全体でも多いらしいんだけど、今は国内でも貴族が減っている状態。

そのため、人数の確保という意味もあって平民をいつもより多く受け入れているそうで、1組も約半数が平民の特待生だ。


これは以前に陛下から少しだけ聞いたんだけど、平民の特待生を増やすのは学園の生徒維持という面もあるけど、それ以上に人材不足を補うために平民からもどんどん優秀な人材を集めたいっていう思惑もあるみたい。


だから、余裕があれば平民達が問題なく学園生活を送れるように見て欲しいとも言われてるけど。

基本的にはエフィーリア様に付きっきりになるから、そんな余裕があるかどうかは何とも言えないところ。


それにしても、教室へ向けて歩いているだけでものすごい視線を感じる。

まぁ、ほとんどはエフィーリア様の姿を見たいっていう子達なんだろうけどね。


私も立場上、普段から王城を歩いてるだけで結構視線は感じるんだけど、その比じゃないもんなこれ。

そんな中、何事もないかのように平然と微笑みながら歩いてるエフィーリア様はやっぱりさすが王族だね。

何よりもすごいなって思うのが、まるでモーゼみたいに人並みが割れていくこと。


一歩後ろを歩きながら周囲に気は配っているけど、王族オーラに圧倒されているのか、今のとこ近付いて来る子はいないな。よしよし。


教室へと着くと、座席は特に決まっていないのでエフィーリア様はそのまま窓際の最前列へと座ったので、私はその横に座らせてもらう。

私一人だったら絶対に一番後ろに座るけどね。

エフィーリア様は私とは違って真面目なようだ。


「ふふっ。たくさんの方が見ていますね。さすがサキですわ」


何やらエフィーリア様が意味のわからないことを仰っている。


「いや、どう考えてもみんなエフィーリア様を見ていたんだと思いますけど……」


「あら、多少はそれもあるかもしれませんけど、サキは我が国に100年振りに現れた『流れ人』ですのよ?

それに加えて近衛騎士としての数々の功績。

皆様が注目しないはずがありませんわ」


まぁ、エフィーリア様が言うこともわからないではないんだけど、明らかに違うんだよね。


今も話している私達をクラスの子達が遠巻きに見てるけど、みんなほんのり頬が赤くなってるもん。


私を見ているなら、青くなってるはずだからね。


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