表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
必滅の魔女  作者: 坂井 ユキ
第二部 魔女と学園
80/401

学園へのお供

ふと気が付けば季節は巡り、あっという間に学園入学?がもう翌日に迫っていた。


一応生徒として在籍しつつエフィーリア様の護衛もすることになるから入学っていう表現でいいとは思うんだけど、実年齢のこととかもあるから自分でも違和感しかない。


ちなみに、本職の方はずーっと暇なままだ。

一度だけ、警備隊が捕らえた裏組織の人間の尋問に呼び出されたけど、それしかなかった。

まぁ、平和になって良かったと思うことにしよう。


「ところで、本当に二人とも来るの?

私は別に一人でも大丈夫なんだけど」


「サキ様もしつこいですわね。何と言われようともついて行きますわよ」


せっせと入寮に向けての荷造りをしているソフィアとレイシアに改めて尋ねるも、返事は相変わらず。

ここ最近だけで、もう何回繰り返したかわからないやり取りだ。


実は、学園の寮には二人まで使用人を連れていけるんだよね。

そうは言っても、あまり身分の高くない貴族や平民なんかだと寮の部屋もあまり広くはないから誰も連れていかないとか、そもそも連れていく使用人がいないとかもあるみたいだけど。

連れていても一人とかね。


でも、私の部屋はエフィーリア様の隣ということもあって最高ランクだ。

当然広い。

だから、定員の二人を連れていくのも全く問題がないと言えばない。

まぁ、一応は全学生の平等を掲げているのにそこで格差があるのはどうなんだとは思うけど、これは身分のある人はどうしても護衛とかの兼ね合いがあるから仕方ないらしい。


そんな訳で、じゃあ私はどうしようかなと思ったんだけど、アーシャは屋敷での立場もあるから連れていく訳にはいかない。

だったら、別に一人でいいかなと思ってたんだよね。

身の回りの事くらい当然自分で出来るし。


そうしたら、ソフィアとレイシアが自分達が行くと言い出したんだ。

もちろん、私の専属侍女である二人がそう言い出すのは理解出来る。

実際、私がしばらく屋敷から離れて暮らすことになり、誰かを連れて行くことになったら迷わずこの二人を選ぶ。


でも、今回ばかりは事情が違う。


だって、行き先は学園なんだ。

この二人も、実家が取り潰されるまでは当然通っていた場所だ。

知り合いだってまだ在籍してるだろう。

そんな所に行って、もし知り合いに会ったら絶対に気まずいだろうと思うんだよね。

特にレイシアなんて立場上、学園では絶対に有名人だっただろうに。


だから屋敷に残していくつもりだったのに、そう言ったら何故か怒られた。私が主なのに。


「何度も申し上げてますが、わたくしはそんなこと全く気にしたりしませんわ!」


「私とレイシアがサキ様にお供したとしても、ずっと寮の部屋で仕事をしていますし、出掛けるにしてもサキ様が授業を受けておられる間になります。

ですから、他の学園生の方と顔を合わせる機会はありませんわ。

実際、私が通っていた頃も他家の使用人と顔を合わせることはほとんどありませんでしたから」


と、まぁこんな感じだ。


なんも考えてなさそうなレイシアはともかく、落ち着いているソフィアまでがそう言うならきっと大丈夫なんだろうとは思うんだけどね……。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ