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必滅の魔女  作者: 坂井 ユキ
第一部 魔女と聖女
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魔女の日常

アーシャにされるがままに水色の膝下丈のワンピースに着替え終わったところで、部屋がノックされメイドが朝食を持って来てくれる。


「お待たせいたしました」


そう言って部屋にあるテーブルに朝食を並べていくメイドだけど、顔色は悪い。

体調がどうこうではなく、純粋に私が怖いからだ。


この屋敷に務める使用人は、アーシャと執事長を除き、ほとんど全員がこんな感じだ。


まぁ、元々王妃様付きの侍女をしていたアーシャと、王妃様の実家で執事をしていたという執事長以外はみんな訳ありで家に来た子達だからね。仕方ない。


朝食を並べ終えると、逃げるように去って行くメイドをアーシャが少し険しい目付きで睨んでいる。


「あの子もまだまだ教育が足りませんね」


私の専属侍女のようなことばかりしているアーシャだけど、屋敷の侍女長という肩書きも持つ彼女からすると、今のメイドの態度には思うところがあるらしい。


「仕方ないよ。私のこと怖いんだろうし」


でも、私としては怯えながらだろうが、とりあえず仕事はきちんとしているならそれでいい。

万が一にも私に害をなしたり、何か問題を起こすようなら即殺すだけだし。


朝食のソーセージを食べながら事も無げにそう言う私のことをアーシャがめっと睨む。


「いいえ!そもそもがお嬢様の慈悲で生かされているのですから!

あんな態度は許されません!」


プンプンと怒っているアーシャを適当に宥めつつ、「慈悲……ねぇ」と思ってしまう。


壊れている私に、きっとそんなものはない。

あのメイドや他の使用人を雇い入れたのはそんな優しい気持ちからではない。


訳ありのあの子達は、普通の使用人よりずっと賃金が安く雇える。

どうせ行き場のない子達なのだから、それだったら調度いいからと言うだけだ。


ぶっちゃけ、私の気分次第で生かすも殺すも自由である。

まぁ、私の場合、誰に対してもそう思っている部分はあるけど。


そして、使用人達もその事がわかっている。

だからこそ、少しでも粗相をすれば私に殺されると思っているから脅えている。


私としては敵対行為をしない限り、仕事で失敗したからと言って殺したりするつもりは全くないけどね。


「さて、ご飯も食べたし行こうか。

新しい子、もう来てるよね?」


さっき屋敷に馬車が入ってくる音がしていた。

きっと新人を乗せて来た馬車だろう。


「はい、応接室で待たせてあります」


アーシャの言葉に頷き部屋を出る。


新しい訳ありちゃんと面談と行きますかね。

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