お姫様の頼み
「それでなんですけど、エフィーリア様。
今日は顔合わせ?ってことでいいんですか?」
正直顔合わせとか言われても何をすれば良いやらではあるんだけど。
仲良くお喋りすればいいのこれ?
「ええ。そのようなものだと思って頂いて構いません。
あと、わたくしから何点か事前にお伝えしておきたいことがございましたので、どうせでしたらサキのお顔を直接見てお伝えしようと思ったのです」
「なるほど。そういうことでしたか」
そう言うことなら私もきちんと聞いておかないと。
護衛任務なんて専門外だけど、情報が大切なのはどの任務でも変わらないだろうしね。
あ、護衛なら専門の第一の部隊長に事前に話を聞いておこうかな……。
いや、あの人真面目で堅苦しいからやっぱりなしだな。
「まず、既にお兄様よりお聞きだとは思いますが、サキには護衛として学園内では常にわたくしと共に行動して頂きます」
それは私も理解しているので、こくりと頷くことで話の続きを促しておく。
「当然、学園でのクラスは一緒。
寮も隣同士の部屋になります。
ただ、週末はわたくしも公務で城へと戻りますから、その時はサキもお屋敷に戻って頂いて構いません」
「わかりました」
うんうん、想定内。
王城に戻った時は、普段通り第一が護衛に付くんだろうね。
私は屋敷でだらだらと過ごさせてもらおう。
「それで、護衛の主目的もお聞きだとは思いますが
、貴族達が不必要にわたくしへと近付くのを防いで頂くことです。
本音を言えば、わたくしも学園でお友達を作って楽しい学園生活を送りたいのですが……。
さすがに、今の我が国の情勢ではそれも難しいのは理解しています」
そうだよねぇ。
学生生活の楽しみのひとつが、たくさん友人を作って遊びまくることだと私は思ってるんだけど、エフィーリア様は王族っていう立場だし、そうも言ってられないんだよね。
本人も言ってるようにどうしようもないことなのはわかるけど、この口振りだと楽しみにしてたっぽいからちょっと可哀想ではあるよね。
「ですが……」
何故かこっちを見て楽しそうににっこりと笑うエフィーリア様。
「その分、サキと楽しく過ごせればと思っておりますの。
ですから、仲良くしてくださいね?」
「もちろんです。こちらこそよろしくお願いしますね」
可愛いお姫様の頼みだ。
そのくらい叶えてあげようじゃないか。
私は軽い気持ちでそう返事をしたんだけど、後々このことを心から後悔することになるなんて、全く想像していなかった。




