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必滅の魔女  作者: 坂井 ユキ
第二部 魔女と学園
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護衛依頼と昨今の貴族の事情

「陛下、私もう24なんですけど」


とりあえず、一応抗議してみる。

なんとなくもう無駄な気はしてるけど。


「あぁ、そうだな」


「学園って16歳から18歳までの子が通うって聞いた気がするんですけど」


「あぁ、そうだな」


「……」


100%私の言いたいことはわかってるはずなのに、すっとぼけてやがるなこのおっさん。


「じゃあ、私は無理ですね。

では、もう話は済んだと言うことで帰りますね」


「まぁ、待て」


早々に逃げようとする私を、妙に圧のある笑顔で引き留めようとする陛下改めおっさん。

一瞬、能力を使って無理矢理黙らせてやろうかという考えが頭をよぎったけど、さすがに国王相手にそれをやると後々ものすごーくめんどくさいことになりそうだ。


「本来ならな、サキに頼むようなことではないのはわかっているんだ。

だが……」


私に王妹殿下の護衛をさせるという話になった経緯を陛下が説明してくれる。

途中唐突に挟まれた妹自慢などを無視して話の内容を要約すると、以下のような感じだ。


学園内での生活では、王族と言えども護衛は基本的に付けることはない。

それでも、王家と懇意になろうとする貴族達や、良からぬことを企む者達を必要以上に近付けない為、これまでは同時期に学園に通っている高位貴族の子息や令嬢の中から適切な人物を選んで護衛代わりをさせて来た。

その人物が後々は側近として重用されることも多かったため、これまでに選ばれた子はとても良く働いてくれていたそうだ。


だけど、先の大戦以降の混乱で高位貴族を中心に貴族の数は減少。

特に国内最大勢力だった公爵家の取り潰しにより、貴族間では今もなおその空いた権力の空白を巡り水面下で熾烈な争いが繰り広げられている。


そんな時期に王妹殿下が学園に入学すれば、近付こうとする貴族がどれだけ湧いてくるかは想像するまでもないし、万が一ということも有り得る。

だけど、まだ誰が信用出来るかも怪しい現状では安心して王妹殿下を任せられる人物がいない。


だからこそ、貴族の権力争いとは無縁な位置にいる私に白羽の矢が立ったと。


まぁ、言いたいことはわかる。

確かに私は権力争いなんかには興味はない。


それに、『流れ人』という立場だから伯爵位相当の権力がある。

貴族の子ども達とは言え、所詮は子ども。

本人が爵位を持ってる訳ではないから、侯爵家の子くらいなら身分的にも私の方が上なんだよね。

公爵家の子どもでやっと同等くらいらしいし。

近衛騎士団の部隊長という役職まであるしね。


ついでに、とっても不本意ながら私のこの容姿。

学園生に比べれば少し幼く見えるくらいだけど、まぁ無理ではない。


つまり、私は王妹殿下の護衛として学園に送り込むには最適な人材というわけだ。

本当に、本当に残念だけど。


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