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必滅の魔女  作者: 坂井 ユキ
第五部 必滅の魔女
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バレたら本当に後が怖いから

「さて、それでは今日の本題だが……」


ひとしきり黒い笑顔で笑いあったところで、ルーベック侯爵が仕切り直しとばかりに口を開く。


「閣下、それはもちろん構わないんですけど、団長は呼ばなくて良いんですか?

一応あれでも北部の筆頭ですよね?」


山賊の親分にしか見えないけどね。

あんなでも北部筆頭貴族家であるバエサル侯爵家の当主だよ?

今日は会場にいるから、てっきり団長も呼ぶものだとばかり思ってたけど。


「くくっ。まぁ確かにセクメト伯爵令嬢の言う通りではあるな。

だが、バエサル侯爵はこういった話し合いはめんどくさいと仰せでな。

会場でのんびりとしているから、後から決まったことだけ伝えてくれとのことだ」


私の物言いにルーベック侯爵が笑いながら答えてくれる。

しかし、めんどくさいって……。

気持ちはわからなくはないけど、立場的にそれはどうなのよ。


「まぁ、何もそれだけではない。

我らに加え、バエサル侯爵まで会場を離れてしまってはエフィーリア殿下や他の参加者達が不審に思うのではないかというのもある。

現状、我々四人がここにいるだけでも疑問に思う者もいるだろうからな」


「あぁ、なるほど……」


エフィーリア殿下には知られたくないんだろう?と言うルーベック侯爵の言葉に頷く。

だって本当に後が怖いんだもん。


だけど、確かに侯爵の言うことも一理あるな。

特にエフィーリア様とかリズベットはかなり鋭いから、私達がなんかしら会場では出来ない、それこそ他人には聞かせられない相談をしていると思っても不思議はないか。

そうしたら、なし崩し的に今回の対帝国のことがバレてしまう可能性だってあるよね。


「それでしたら侯爵閣下。

私達がここに集まっていたことを何か聞かれたら、ノフロンでの一件の謝罪だと答えていただいて構いません。

私が同席したのは、セクメト伯爵家の当主としての立場と言えば皆様も納得されると思うので」


おお、フローリアナイス。

うん、いい理由だよねそれ。

そう言う理由ならここで四人で話していた言い訳として十分だし、違和感もないか。

家門同士のやり取りになるから、それをあれこれ聞いてくるのは失礼になるしそんなことする人もいないよね。

帝国絡みとまでは知られてなくても、ノフロンでアンネとコーネリアが負傷したことはそれなりに知れ渡ってるし、その時に私がノフロンにいたことも当然知られてるから。


それに、ここで集まってることに関してわざわざ聞いてきそうなのはあの時ノフロンにいたメンバーだろうなって気もするからね。

エフィーリア様だけじゃなくてリズベットとかナタリーとかね。


「セクメト伯爵がそう言ってくれるなら、申し訳ないがそうさせて貰おう」


ルーベック侯爵とフューリー侯爵も頷いてくれた。

きっと二人のことだから、事前に何かしらの言い訳は用意してたんだろうけどね。

この方がより説得力があるって判断してくれたのかな。


「さて、それでは本題に入りたいがもういいかな?」


「あ、はい。すみません、色々と」


何か色々と私達から言い出しちゃったから、全然本題に入れてないもんね。

フューリー侯爵は「気にするな」って笑ってくれたけど。

両侯爵だって暇じゃないだろうし、早く話すべきことを話し合わないとね。

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