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必滅の魔女  作者: 坂井 ユキ
第五部 必滅の魔女
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いよいよ本日の主役の入場

「皆様、大変お待たせ致しました!」


係の人の声が会場内に響くと、まだパーティの開始前のということもあり、ゆったりとした音楽を奏でていた楽団の演奏が止まる。


参加者達も歓談を止め、静かになった会場を満足そうに見渡すと、心なし今までよりも胸を張って係の人が声を張る。


「本日の主役、ルーベック侯爵令息カーライル様!そのご婚約者フューリー侯爵令嬢アンネ様!

そして、フューリー侯爵令息アンヘル様、そのご婚約者ルーベック侯爵令嬢コーネリア様のご入場です!」


それと同時に扉が開かれ、鮮やかなドレスを身に纏ったアンネとコーネリアがそれぞれの婚約者にエスコートされながらその姿を見せる。

楽団も華やかな曲の演奏を始め、その中を入場して来る四人を参加者達が盛大な拍手で出迎える。


もちろん、私とフローリアも全力で拍手してる。


「二人とも凄く幸せそうだね!」


「うん、そうだね」


フローリアの言うように、アンネもコーネリアも満面の笑みを浮かべている。

婚約の話を教えてくれた時も嬉しそうにしていたけど、今この場にいる二人は本当に幸せそうで、心からこの婚約を喜んでるんだなっていうのが伝わってくる。


ちなみに、名前を読み上げられるのがルーベック侯爵令息からだったのは、一応は侯爵家としての序列がルーベック侯爵家の方が上だからになる。

まぁ、そうは言っても北部四侯の中ではバエサル侯爵家が少し抜け出てるだけで、他の三家にはほとんど序列の差なんて無いらしいけどね。

フローリアに巻き込まれる形で受けさせられた講義で習った知識だけど。


「よし!私達もお祝い言いに行こう!」


待ちきれないとばかりに急ぐフローリアに腕を引かれ、四人に挨拶するために並ぶ人々の列に加わる。

まぁこれも当然ながら爵位順になるから、急いでもあまり意味はないんだけどね。


いちいち爵位順に並ぶのがめんどくさいと言えば確かにそうなんだけど、こうしたルールがないとそれこそ一気に人が押し寄せて大変なことになるかもしれないからね。

特に高位の貴族とは顔繋ぎをしたい人がたくさんいるから。

それに、不審者が近付かないようにするって側面もあるし、安全面を考えても仕方ないんだ。


列に並びながら挨拶している人々の様子を眺めていると、ちょうどナタリーとリズベットがそれぞれの家族と挨拶をしているところだった。


何を話しているかまでは当然ながら聞こえないけど、感極まったようなアンネとコーネリアが涙を浮かべ、それぞれの婚約者がその涙を優しく拭ってあげている。

それで二人が顔を真っ赤にしているものだから、周辺にいる令嬢達からうっとりしたような、それでいて羨ましそうな溜め息が漏れてる。


ルーベック家とフューリー家は領地が隣合ってるのもあって、アンネもコーネリアもそれぞれの婚約者とも幼なじみだって言ってたけど、しっかりと婚約者としても愛されてるみたいだね。

ここまての様子から心配はしてなかったけど、きっと二人は今以上に幸せになれるね。良かった。

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