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必滅の魔女  作者: 坂井 ユキ
第四部 「サキ」と「咲」
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お城への滞在

私が王城に滞在し始めて数日が過ぎた。


団長様によると、サキはもういつ目覚めてもおかしくはない状態みたい。

魔力を見るのが得意なニーナちゃんも、全く問題なく新しい身体に魔力が馴染んでるって太鼓判を押してくれた。


そうそう、そのニーナちゃんだけどね。

魂を移す魔法を使っている時に、魂がなんの問題もなく移動出来ているかっていうのを、魔力を見ることを通してずっと監視してくれてたんだって。

それもあって、当初の想定よりずっと順調だったって団長様が教えてくれた。


そんな大変で重要な役割をしてくれてたなんて全然知らなかったから、ニーナちゃんへのお礼のお菓子を増やしておこうって密かに決意したよ。


そして、主力として魔法を使ってくれたミリアとカリナは、やっぱり他の人達よりも更に消耗が激しかった。

だから、少しでもゆっくりして貰えるようにお屋敷に戻ってもらってたんだけど、帰る時に私が王城に滞在するって言う伝言まで伝えてもらっちゃって本当に申し訳ないことをしてしまった。

二人は全然気にしてなかったんだけど、一応はお屋敷に滞在してるお客様って立場なのにね。


まぁ、たしかにお屋敷にものすごく馴染んでるし、二人ともすごく綺麗だし優しいから、うちの使用人の子達も男女問わずに頬を赤く染めてその姿を目で追ったりもしてるけど。


魔法の行使に参加した人達以外でも、エフィーリア様が様子を見に来てくれたりもした。

学園のみんなって言うか、あの時ノフロンにいたメンバーは今回のこと知ってるからね。

他のみんなもサキがいつ目覚めるのか気にしてるみたい。

目覚めて体調が落ち着いたら、みんなで会いに来てくれるって。

きっとサキも喜ぶと思うし、今から楽しみにしてる。


ちなみにナターニャ先生だけど。

魔法を使った翌日にはすっかり元気になってたよ。

聞いていた話ではミリアやカリナと同じくらい負担があったらしいんだけど、さすがと言うかなんて言うか。

それで、お礼も兼ねてってことでお屋敷に今度招待したいって伝えたら喜んで受けてくれた。

やっぱり好きな料理はお肉料理みたい。


うちのお屋敷の料理長は本当に料理の腕が良いから、楽しみにしててくださいって伝えたら、すごく嬉しそうに頭をぐちゃぐちゃになるまで撫でられた。

あれだよね、ナターニャ先生って頭撫でるの好きだよね。

サキの頭もすぐに撫でるし。

まぁ、全然嫌じゃないから良いんだけどね。

サキも表面上は嫌がってるけど、本当は嫌じゃないのは私も知ってるしね。


そうしてみんなのことをあれこれと考えつつも、私の視線の先にいるのはまだ眠っているサキだ。


こうして寝ている姿だけを見ていると、あの魔法を使った部屋で横たわっていたホムンクルスの素体のままにも見える。


だけど、あの時とは決定的に違うこともある。

それは、静かに上下するサキの胸。

それが確かにそこにサキの魂が存在していることを示している。


早く話したいなぁ。

そんなことを思いながら、ほっぺたをつついてみる。

おぉ、思っていた以上にぷにぷにしてる。

すごいなぁ。

何から作った体なのかはさっぱりわからないけど、完全に普通の人間の体にしか見えないや。


予想外にぷにぷにしてるのが少しだけ楽しくて、いつまでもつついていると、サキの眉がピクリと動いた。


「サキ?」


もしかして目が覚めた?

そう思って問い掛ける私の前で、ゆっくりとその目が開いた。

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