表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
必滅の魔女  作者: 坂井 ユキ
第四部 「サキ」と「咲」
315/401

いざ魔術士団へ

馬車に揺られた私達は、あっという間に王城へとたどり着いた。

ただ、今回はいつものように王族の居住スペースへとは案内されない。

今日の目的地は魔術士団の詰所なんだ。


なんでも、そこにある一室でサキの新しい身体が準備されているらしくて、サキの魂をそこへと移す魔法もそこで使うらしい。

サキがホムンクルスの身体になるのは極秘事項だから、人目に付かない場所ってことでそこになったとか何とか。


それに、今回参加する人達にはこのことを他の人には話せないようにする誓約魔法っていうのを使っているんだって。

そこまでしなくてもと思わないではないけど、仕方ないことなのかなと思ってる。


『まぁそうだね。

一応ホムンクルスの研究は禁忌扱いだし、フォーリア王国の了承は得てるんだろうけど禁術だって使うし』


そうだねぇ。

そう考えると、なかなかすごいことするんだね、私達。


『うん。ラシール姉妹や先生にはどれだけお礼してもし足りないくらいだよ。

……あと、陛下や魔術士団長にも一応感謝はしてる』


陛下はともかく、魔術士団長様にサキが素直に感謝したくない気持ちはわからなくはないけどね。

そこは素直にありがとうって言わなきゃダメよ。


『…………考えとく』


やれやれ。

と、そんなやり取りをしている間に気が付けば魔術士団の詰所が見えて来た。


あ、入り口のとこでナターニャ先生が待ってくれてるよ。


「先生、こんにちは」


「おう。

フローリアは……見たところ体調面で問題はなさそうだな。

サキも何か普段と違うような違和感とかはないか?」


私の挨拶に片手を上げて返してくれた先生だけど、仕切りに私達の体調を気にしている。


『私はなんの問題もないよ。いつも通り』


「私はすごい元気ですよ。

サキも問題ないって言ってます。

あの、何かありました?」


この世界で目覚めてからは風邪ひとつ引いてないし、健康そのもの。

起きたばっかりの時くらいだよ、体調良くなかったの。


少しだけ不安になりながら尋ねる私に、ナターニャ先生は首を振る。


「いや、問題ないならそれで良いんだ。

ただ、今回の魔法は二人にもかなりの負担がかかる事が考えられるからな。

もし体調が良くないってんなら、日を改める必要がある。その確認だ」


「あぁ、なるほど。

たしかにそうかもしれないですね」


『魂を移すなんてことをするんだからね。

ある程度の負担は覚悟してるよ。

フローリアも、もし途中で具合悪くなったらすぐに言いなよ?』


うん、わかった。サキもだよ?


『わかってるよ。大丈夫』


「お二人さん、相談は済んだか?」


「あ、はい!大丈夫です!」


どうやら私とサキが話してるのは先生にはお見通しだったらしい。


「よし、それじゃあ行くぞ」


そう言って私達を先導して歩き始めた先生の後に続き詰所の中へ入ると、以前団長様に挨拶した時とは別の方向へと向かって行く。


「今日行くのは研究用の部屋やらがある場所だ。

その中にな、機密管理のために団長の許可がないと使用出来ない部屋がある」


どうやら前を歩きながらも私の様子に気を配ってくれていたらしい。

見慣れない景色にキョロキョロしていたのに気が付いたようで、先生が説明してくれる。


つまり、その機密管理のための部屋が目的地ってことね。


「さ、着いたぞ。

他の連中はもう中で待ってる」


そう言う先生の視線の先には、何やら魔法陣のようなものが描かれた重厚そうな扉がある。

おぉ、如何にもって感じ。


まさに魔法!ファンタジー!といった様子に密かに感動してる私を前に、先生が扉に触れる。


すると、魔法陣らしきものが俄に光り輝き、ゆっくりと扉が開いていった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ