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必滅の魔女  作者: 坂井 ユキ
第四部 「サキ」と「咲」
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王都への帰還

そこからの話は早かった。


まず、先日の一件はサキの記憶やそこでのサキたちのやり取りを見ていた拉致されていた四人によって、帝国の諜報員の仕業ということが確定。

急ぎ王都へと知らせを送ることになり、その時に私の身に起きたことも一緒に伝えて貰えることになった。


こうなると、帝国と国境を接しているノフロン領としては厳戒態勢になりそうなものなんだけど、ここで大活躍したのが聖女であるヒマリちゃん。

なんと、エフィーリア様とクラリスさんの許可を得た上で、イシュレア王国をすっぽりと覆う結界を張ってしまった。


これでもう、帝国の関係者はイシュレア王国に入って来ることが出来なくなったみたい。

もちろん、既にイシュレア王国内に入り込んでいる間者がいる可能性は高いらしいから、そのあたりへの警戒は最大限にするらしいけど。

ノフロンにおいては、ワナイ騎士団長がその指揮を執ってくれるみたい。

サキならともかく、今の私ではそこは役に立てないから良かった。

サキやヒマリちゃんほどすごくはないけど、一応私にも能力はあるんだけど、この役目には向いてない能力だから。


そう言えば、私の能力についてもみんなにきちんと話さないとなぁ。

サキの中にいる時から、ほぼ無意識にサキに対しては使ってたんだけどね。

まぁ、おいおい話す機会はあるでしょ。

必要だと思ったら使っちゃえばいいし。

悪い能力ではないから、事後承認になってもたぶん許してくれるはず。


そして、私自身なんだけど。

エフィーリア様たちが王都へと帰る時に、一緒に王都へと行くことになった。

一応サキは王都追放中の身の上のはずなんだってけど、レイシアやソフィアと話したことをエフィーリア様たちに共有した結果、私のことはひとまずはサキとは別人として扱うことにしたみたい。


だから、サキへの王都追放の命令は私へとは適用されないっていうのがエフィーリア様の言い分らしい。かなりめちゃくちゃな気がするんだけど、今みたいな非常時にはそれくらいにで良いんだってエフィーリア様が言ってた。

他のみんなも何も言ってなかったし、そういうものなんだろうと思うことにしよう。


それと、ラシール姉妹への手紙は無事に送ることが出来た。

ただ、私が王都へと戻る話が出る前に送ってしまったから、返事を送ってくれた場合入れ違いになるんじゃないかと思ったけど、そこは上手いこと対応してくれるらしい。

何をどうやるのかはさっぱりわからないけど、スチュワートさんが自信満々に言ってたから大丈夫なんだ思う。


そうしてあっという間に日々は過ぎ、いよいよ王都へと戻る日を迎えた。

他のみんなは既に馬車に乗り込んでいて、その周りを護衛の騎士たちが固めている。

サキの部下の戻る近衛の面々も、もちろん一緒だ。


「それではサキ様、道中どうかお気を付けて。

今度は正式に辺境伯として戻って来られるのをお待ちしておりますぞ」


スチュワートさんは今の私になっても相変わらずだ。

どうしても私を辺境伯にしたいらしい。


「あはは……。無事にサキを助け出したら伝えておきますね」


きっとサキはすごく嫌そうな顔をするんだろうな。

早くその顔が見られるように頑張らないと。


そうして、辺境伯邸に仕える人々に見送られ、私はサキと共に数ヶ月を過ごしたノフロンの地を後にした。

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