表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
必滅の魔女  作者: 坂井 ユキ
第一部 魔女と聖女
22/401

お酒は20歳から!

レミアは本当に怯え切っているみたいで、私の言葉にも頭を上げようとしない。


あぁ、もう。

めっちゃ周りから注目されてんじゃん。


全然頭を上げようとしないレミアや、周りからの視線にどんどんイライラが募ってくる。


「おう、伯爵。もういいだろ?

こんな形で目立つのは、娘さんの今後にだって良くないのはわかるよな?」


「え、ええ、ガイエス団長殿。

確かに仰る通りですな」


ガイエスさんの言葉に、ノートマン伯爵は慌てたようにレミアを引き連れて離れていく。

レミアはかなりふらついてたけど、大丈夫あれ?


まぁ、いいか。

とりあえず、今ので主催者への挨拶は終わったってことでいいよね。


「ガイエス団長、助かりました。ありがとうございます」


「気にすんな。あのままじゃサキが暴れそうだったからな」


「そうですな。さすがにここでは人目があり過ぎますので」


「お前も苦労してんなぁ……」


さっさと料理の並べられているテーブルに向かって歩き出している私の後ろで、ガイエスさんとヒギンスが何やら話している。


なんか好き勝手に言われてる気がするけど、今はそんなことよりも料理の方が大切だ。


「隊長、なに食べます?あたしが取ってきますよ!」


「やっぱり肉っすよ!ここの肉めっちゃ美味そうっす!」


「じゃあ、お肉にしようかな」


いつもと変わらないカレンとジェイクの姿に、イライラしていた気持ちが少しずつ落ち着いてくる。


「あ、飲み物はジュースにしましょ!隊長にお酒は早いですもんね」


……ん?


「肉になら赤ワインと言いたいところですけど、ぶどうジュースにしましょうか。

見た目はほとんど同じですし!」


そう言いながら、お肉の入ったお皿とたぶんぶどうジュースが注がれているであろうグラスを持ってニコニコとしているカレンをじーっと見詰める。


確かこの国の成人年齢は18歳。お酒も18歳から飲める。

日本でだって、お酒は20歳から。


そして、私は今23歳だ。


「カレン?」


いつも通りの無表情で問い掛ける私に、カレンがピシッと固まる。


「や、やだなぁ~隊長。なんで殺気なんて出してるんですか?」


自分用のお皿にお肉を大盛りにしているジェイクが引き攣った顔で離れて行くけど、そちらは気にしない。


「私23だけど?」


「そ、そうですね……」


ほほう、分かっててそれか。

いい度胸だ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ