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必滅の魔女  作者: 坂井 ユキ
第三部 辺境の魔女
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憧れの人と気が付かなかった変化

「アンネ?コーネリア?どうかした?」


「えっ!?いえ!」


「な、なんでもありませんわ!」


慌てたように否定する二人だけど、そう言う割にはめっちゃ見てたよね?

二人の性格からしても悪い意味ではないと思うけど。


「あ、もしかして、うちの使用人の事情知らないかな?」


ソフィアやレイシアを始めとする私に仕えてくれてる使用人達のことは、わざわざ言って回るようなことでもないので知らない人は知らないからね。

現にハーパーとかも知らなかったみたいだし。


しかし、二人はそれには首を振る。


「いえ!それは存じ上げておりますわ!

ただ……」


「アーセル公爵令嬢は、わたくし達にとって憧れの方だったのです。

それで、本当に働かれているのだなぁと思ってしまいまして」


他意はなかったと謝る二人に首を振る。


「いやいや、別に謝るようなことじゃないよ。

ちなみに、どの辺に憧れてたの?」


何となく興味が湧いて尋ねると、二人の瞳がキラキラと輝く。


「アーセル公爵令嬢はいつでも堂々としてらして、外見の美しさも所作の一つを見てもとても素敵でしたし!」


「いつでも流行の最先端を行ってらして、ドレスはもちろん、アクセサリーの一つ一つまでとてもお洒落で!」


「「本当に素敵だったのですわ!!」」


最後には声を揃えて言う二人の言葉に、なるほどと頷く。


「レイシアはお洒落だよねぇ。

このワンピースもレイシアが選んでくれたし」


私の服装一つ一つにもめっちゃこだわるんだよね。

レイシアが専属侍女になってから、屋敷にいるだけでも服装へのチェックが厳しくなったもん。

なんて言うか、自分で適当に選ばせてくれないって言うか、毎日レイシアがこれを着なさいって決めてくる。


「確かに今日のサキのワンピースも髪型もとても素敵ですわね。

学園にいた頃とは雰囲気が随分と変わっていて、最初に見た時は正直驚きましたわ」


私達の会話を楽しそうに聞いていたエフィーリア様の言葉に、アンネ達だけではなく他のみんなもうんうんと頷いている。


「あぁ、確かに学園にいた頃はずっと髪の毛おろしてましたもんね」


まぁ、髪型はソフィアがやってくれたんだけど。

それにしても、そんなに雰囲気変わったかな?

確かにアップにしてる姿は初めて見せるかもだけど、私服姿を見せるのは初めてじゃないし。


そう思って聞いてみると、みんな何故かとても良い笑顔を見せてくれる。


「もちろん、服装や髪型のこともあるのですが……」


「まとっている空気と言うか、全体的な印象が変わられたなぁって思います」


「そんなに変わった?」


「ええ!なんと言いますか、とても柔らかくなられたと思いますわ!」


そうなのかな?自分ではよくわからないんだけど。


「顔つきもとても穏やかになられてますわ。

それだけ、この地で心穏やかに過ごされていたのですね」


「あぁ、うん。それはそうかも。

ノフロンは良いところだよ」


色々と大変な土地ではあるけどね。

それでも、少なくとも今のところはここでの生活は私にとって穏やかで良い日々だと思う。

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