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必滅の魔女  作者: 坂井 ユキ
第三部 辺境の魔女
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学園組、辺境に来たる

ソフィアやレイシア達を引き連れてぞろぞろとエントランスへと向かうと、ちょうど王都からの一行が到着するところだった。


来るメンバー的に色々とツッコミどころはあるけど、今回王都から来るのは国としての正式な視察団。

ノフロンを代表して出迎えるのは、領主代行を務めているスチュワートの役割だ。


だから、私はスチュワートの後方に控えている屋敷の使用人達の列にひっそりと混ざる。

それを見てスチュワートが何か言いたそうにはしていたけど、その視線には当然気が付かないフリをする。


屋敷の正面玄関前に大型の馬車が到着し、その中から見えて来たのは懐かしい金髪に……。

うん、随分とぞろぞろと降りて来るね?

都市間を繋ぐ乗合馬車をすごく立派にしたような馬車だなとは思ったけど、あれ、日本の二トントラックくらいあるんじゃない?

馬だって四頭もいるし……。


あんな大型の馬車、王城にあったかな?

王族は当然各自が専用の馬車は持ってるけど、あんなの見たことないような気がするんだけど。

エフィーリア様の馬車って、いかにもお姫様が乗ってそうな白ベースのやつだったような。


長距離の移動に備えて普段とは違うのを使うのはわかるけど、あれってまさかこのために準備してた馬車とか言わないよね?

いや、ありえそうな気もするけど。

うん、見なかったことにしよう。


その光景に、さすがのスチュワートも一瞬固まっていたけど、そこはさすがと言うべきか。

すぐに再起動する。


「エフィーリア殿下、ノフロンへようこそお越しくださいました。

私、このノフロン領の代官を拝命しておりますスチュワート・ベンノと申します」


「スチュワートさん、ご丁寧にありがとうございます。

エフィーリア・ミールス・イシュレアですわ。

しばらくの間、お世話になりますね」


最敬礼をして出迎えるスチュワートに、にっこりと微笑んで答えるエフィーリア様。

うわぁ、久しぶりに見るけど、相変わらず人間離れした美しさ。

いや、少し大人っぽくなったかな?

年相応の少女らしさの中にも大人の色気みたいなのも混ざって、ますます綺麗になってる気がする。

出迎えに出てる使用人達もぽーっと頬を赤らめて見蕩れちゃってるもんね。


その後に続いて、ナタリーやリズベット嬢、元気印の二人も丁寧な挨拶をしている。

おお、アンネとコーネリアがきちんとした令嬢に見えるぞ。

いや、もちろん令嬢なのは知ってたけど、学園での振る舞いを思い出すと、どうしてもね。


エミリーちゃんとニーナちゃんは……。

うん、盛大な出迎えにちょっと挙動不審だけど元気そうだ。


みんなの元気そうな様子に一人にこにことしていると、何かを探すように視線を巡らせていたエフィーリア様とバチッと目が合った。

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