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必滅の魔女  作者: 坂井 ユキ
第二部 魔女と学園
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学園での別れ 2

四人と別れ、すぐに寮へと向かうのも何だかなぁと思いながら学内をぶらぶらと歩く。


そこかしこから学園生達の楽しそうな声が聞こえて来て、つい先日までは私も確かにあの中に加わっていたはずなのに、それが随分と昔のように感じてしまう。


こんな風に感傷的になるなんて、私も随分と普通の人間ぽくなったもんだ。

そのことに驚きと、少しだけ嬉しさも感じながら歩き続けていると、いつの間にか中庭へとたどり着いていた。


そう言えば、エミリーちゃんやラシール姉妹とはここで出会ったんだよな。

まぁ、エミリーちゃんはクラスメイトだから、その前に教室で会っていたんだろうけど、初めて会話したのはここだったし。


「あれ!?サキさん!」


もうかなり昔のようにも感じる当時のことを思い出していると、まさに今考えていた人物の声が聞こえて来る。


「エミリーちゃん。どうしたの、こんなとこで」


驚いたように私を見ているエミリーちゃんの隣には、今日もニーナちゃんの姿がある。

やっぱりこの二人はいつでも一緒だなぁ。

でも、もうそれが普通の光景にしか見えないくらいに馴染んでる。


「あの、サキさんが学園を辞めてしまわれると聞いて……。

そしたら、何となくここに来たくなったんです。

サキさんと初めてお話した場所ですから」


「そっか……」


エミリーちゃんも私と同じようなことを考えてくれてたのかな。

そうだと少し嬉しいんだけど。


「あれからどう?二人とも嫌な思いはしてない?」


見回り組が機能しているはずだから大丈夫だとは思うけど。

二人の場合はエフィーリア様とも仲が良いから、そのことでもやっかみを受けかねないもんね。


「私達は大丈夫です!

高位貴族の皆様が学内をしっかり見てくださっていますし。

他の子達も、以前のようなことはほとんどなくなったって言ってましたよ!」


笑顔で答えてくれるエミリーちゃんの言葉に、ニーナちゃんも力強く頷いている。

良かった。見回りの効果はきちんと出てたんだ。


「ところで、サキさんは辺境を守るために赴任されるって聞いたんですけど……。

その、危険はないのでしょうか?」


ん?

私は公的にはハーパー達の件での罰則として辺境に飛ばされたことになってるはずなんだけど?


「あぁ、確かに多少は警戒が必要かもしれないけど、特に問題はないから大丈夫だよ。

それより、その話誰から聞いたの?」


どうにも情報がおかしなことになっているようだし、出処が気になる。

悪い話になってるわけじゃないから問題はないんだけども。


「そうなんですね、それなら良かったです。

えっと、誰からと言うか、学園内ですごい話題になってますよ。

王国最強の盾としてサキさんが国境を守りに行くから、もう帝国のことは心配しなくて大丈夫だって」


「辺境伯になられたんですよね?」


エミリーちゃんの話だけでも驚きなのに、ニーナちゃんまでとんでもないことを言い始めた。


一体どうなってんの?

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