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必滅の魔女  作者: 坂井 ユキ
第二部 魔女と学園
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連行

ハーパー達を連行して連れて来たのは私の屋敷。

普段なら王城へ連れて行くんだけど、今回は陛下には何も言ってないからね。

いつもの地下室は使えないから、そうなるとここくらいしか使える場所が思い付かなかった。


ちなみに、どうやってここまで連れて来たかだけど。

まぁ、軽ーく教育をして木箱に押し込んで……あとはご想像にお任せってことで。


「お嬢様、おかえりなさいませ」


「おかえりなさいませ」


「うん、ただいま」


縄で縛られて顔を腫らしているハーパー御一行を見ても、アーシャとセバスチャンは顔色一つ変えずに出迎えてくれる。

でも、その後ろに控えているソフィアは真っ青な顔をしているし、レイシアは逆に顔を真っ赤にしている。

ごめん、驚いたよね。屋敷のみんなにも今日のことは何も伝えてないから。


「ちょっと客間使うから。絶対に誰も近付かないで」


「かしこまりました」


「ほら、行くよ。さっさと歩け」


「ぐっ」


ソフィアとレイシアとは面識があるみたいだけど、私の屋敷にいることまでは知らなかったのかな。

二人の方を見て口をあんぐりと開けているハーパーに蹴りを入れて歩かせる。


あ、二人がめっちゃ何か言いたそうにしてる。

これは後で叱られるかな。

まぁ、仕方ないか。これに関しては私が全面的に悪いから大人しく叱られよう。


令息達をぞろぞろと引き連れて屋敷の中を歩いて行くと、当然ながら他の使用人ともすれ違う。

ハーパー達は時たま見知った顔がある度に驚いている。

何か言いたそうに口をパクパクさせてるけど、まだ話せないままだからね。静かで何よりだ。


使用人の子達も、驚いたような顔はするけど何も言わずに仕事に戻っていく。

他所でこのことを話すような子はいないだろうけど、後で念の為アーシャとセバスチャンに言って全員に口止めしとかないとな。


「誰か二人。入り口に見張りで立ってくれる?

私が良いって言うまで、部屋の中はもちろんだけど、近くにも誰も来させないで。

アーシャやセバスチャンもね」


「了解しました」


客間に辿り着いて指示を出すと、アレクとジェイクが見張りに立ってくれる。


「じゃあ、フレバン。ちょっと頼みたいんだけど……」


近くに呼んで、耳打ちで指示を伝えると、フレバンが微かに目を見開く。


「よろしいのですか?」


「うん、良いよ。だからお願い」


「かしこまりました」


返事をしてその場から立ち去るフレバンを見送ると、客間の扉を開けてハーパー達を中に放り込む。


私達も中へ入ると、扉に鍵をかけハーパー達へと向き直る。

ここまで来ると、さすがにこれから自分達がどうなるのか悟ったのか。

どいつもこいつも顔を真っ青にして震えている。


「さて、お姉さんと少しお話しようか?

おぼっちゃん?」


それを見下ろしながら、私はにっこりと微笑んだ。

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