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必滅の魔女  作者: 坂井 ユキ
第二部 魔女と学園
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いざ出発!

「サキさん?朝から疲れてますけど大丈夫ですか?」


ナターニャ先生やエフィーリア様と色々と話をした日から時は流れ、今日はついにエフィーリア様初の街歩きの日だ。


なんだかんだと話しているうちにメンバーは増え、私、エフィーリア様、ナタリーとリズベット嬢、それにエミリーちゃんにニーナちゃん。ついでにカレンまでいる。

最後まで行きたいと喚いていたアンネとコーネリアは、まだ外出禁止期間が過ぎていないのでお留守番だ。

そうなったのは自業自得とは言え、本気の涙目で悔しがってる姿はさすがに可哀想だったから、何かお土産でも買って行ってあげようと思う。


そうしてみんなで学園の門のところに集合してるんだけど、先程言われたように私は既にぐったりとしている。


「あぁ、うん、大丈夫……」


そう答えるものの、本当に。本当に今日まで大変だった。


仕方なく陛下に街歩きのことを話に行ったんだけど、予想通り。いや、予想以上に陛下が騒いだ。

それはもう、国家の一大事かと言うレベルで。


第一全員を護衛に付けると言い出したことから始まり、王都の警備隊まで総動員してエフィーリア様の立ち寄る予定の区画に交通規制をして立ち入りを制限するとまで言い出す始末。


私や宰相が何を言ってもダメだったので、最後には王妃様の力を借りて黙ってもらった。

それでも、うちの隊員を総出で付けるって話してやっとだったけど。

王妃様はエフィーリア様とは義理の姉妹として良好な関係を築いているみたいで、喜んで協力してくれて本当に助かった。

あの時の王妃様の迫力は凄かったなぁ。

本人も行きたそうにしてたのには気付かないフリをしたけど。


そんな感じでその場は何とか収まったんだけど、それ以来毎日のように陛下に呼び出された。

エフィーリア様を心配するあまり、その護衛であるはずの私を毎日呼び出してたら護衛出来なくなるんだけどね。

その間はナタリーが代わりをしてくれたから良かったけど。

この分なら、来年度からはナタリーがエフィーリア様の学園内での護衛役になるかな?

そうしたら私は御役御免になるし、陛下にもナタリーを推薦しておこう。


それにしても、とワイワイと話しているみんなを横目に、周辺の気配を探る。

うーん、ダメだ、全然感じられない。


実は、最後の最後までエフィーリア様が心配でたまらなかった陛下がうちの隊員達だけではなく、通称「影」って呼ばれてる王家直属の諜報部隊を出してるらしいんだよね。

うちの部隊とは任務で協力関係にあることが多かった人達ではあるけど、私もその身元は知らないし、顔すら見たことがないけど。


今も近くにいるはずなのに全然わからない。

それに関してはさすがだなと思うけど、彼らまで護衛に付かせるなんて陛下の溺愛っぷりは本当にすごいな。


私も日本での家族との関係は良かったはずだけどここまでは……あれ?

たしかに一人暮らしではあったけど、私、家族いたよね?

そのはずなのに、家族に関する記憶が全然ない。

可愛がってもらってたような気はするのに。


なんで?

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