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必滅の魔女  作者: 坂井 ユキ
第二部 魔女と学園
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出発前に

今回のサバイバル合宿だけど、やる事はシンプルで森の中で一晩自分達の力だけで過ごすことだ。

でも、もちろんただ単にぼーっとして過ごしていればいいと言うわけではない。


各グループ毎に地図を渡されていて、その地図に書かれているチェックポイントを回りながら指定された薬草や木の実の採取、今日の昼から明日の昼までの食料、更には今夜野営する場所までを探す必要がある。

これらのルートはそれぞれのグループ毎に異なっていて、極力他グループと接触することがないようにされているそうだ。

まぁ、いくら広い森とは言え、それなりの数のグループがいるから完全に会わないということはないらしいけどね。


一通りの説明をナターニャ先生から聞き終え、地図や支給される装備を受け取ると、早速中身を確認していく。


えーっと、簡易テントに毛布。それから調理器具一式と干し肉に……お、水は結構な量支給されるのね。

うん、少し重いけど、これだけあれば普通に使う分には十分足りそうだ。


「まぁ、夜はテントで眠るのですね。

わたくし、テントを使うのは初めてですわ」


私が装備を確認しているのを覗き込んで来たエフィーリア様が、少し楽しそうにしている。

そりゃ、王族だもん。テント生活なんてまずしないよね。


「私も初めてです!」


どうやら、エミリーちゃん達も初体験のようでエフィーリア様の言葉に同意している。


「あ、じゃあみんなテントの設置の仕方とかはわからない?」


私の言葉に頷く一同。


「どうします?私が一人でやっちゃってもいいけど、やり方教えましょうか?」


たぶんその方が合宿の目的を考えても良いよね?


「ええ、是非お願いいたしますわ」


そう思って確認した私に、エフィーリア様が頷く。


「ふふふぅ~。このグループはぁ、サキさんが居ますからぁ~、百人力ですねぇ~」


突然真横から聞こえた声にビクッとして振り向けば、そこにいたのはナターニャ先生。

いや、話し方でわかったけどさ、なんで全く気配感じさせないで近付いてくるのこの人。

私、一応仕事柄そういうの察するのかなり得意なはずなんだけど。


「荷物を受け取ってすぐに出発したグループも居ますけどぉ~、しっかりと確認してるのはさすがサキさんですねぇ~」


その言葉に周りの様子を見てみると、私達同様に装備を確認しているグループもいる一方、既に出発したらしく姿が見えないグループもある。

私の知り合いで言うと、ナタリーやリズベット嬢のグループが前者で、フューリールーベックコンビが後者だ。


ナタリー達はしっかりしてるから問題ないだろうけど、あとの二人は大丈夫かな……。

まぁ、先生方の見回りもあるし、さすがに大丈夫か。苦労はしそうだけど。

……うん。もし見かけたらフォローはしてあげよう。


「サキさんにとってはぁ~、少し物足りなく感じるとは思いますがぁ~、皆さんのお手本としてぇ~色々教えて差し上げてくださいねぇ~?」


「はい、そのつもりです」


実際、王都に来る前は森でリアルサバイバルしてたり、普段の任務から野営することも良くある私にとっては、この合宿は命の危険もないしサバイバルなんて呼ぶようなものじゃないからね。

感覚としては普通のキャンプだ。

でも、初体験の子達にはそれなりに大変だろうことは間違いないので、全力でサポートしますとも。

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