改革のブリザード
改革の嵐です!
ARGAMAは、建国後に諸々の改革を断行した。
それは、まるで真冬のTOOGUL平野に吹き荒れるブリザードの様に。
まずは、平成の大合併で68市町村から40市町村になっていたものを6市に統合した。
すなわち、ARGAMA市、HIGHROSA市、HACH市、TWODA市、MOTOO市、TOOGUL市であった。
大体、日本国時代の3小選挙区を2つに割って6にした形。
青森県内で65校有った県立高校は、20校のPublichighschoolとした。実業高校は全て廃止した。
Publichighschool は、大学進学のためのいわゆる進学校12校といわゆる総合高校8校とした。
実業高校は廃止したが、総合高校は単位制とし、工業高校や農業高校の閉校した校舎、農園を利用した工業関係、農業関係の単位もあった。
教育制度は、アメリカ式を大胆に取り入れた。単位制もそうだが、部活動は廃止され各地のスポーツクラブに活動の場を移した。
いわゆるブラック部活などと言うものは、もはや存在しない。
7月の海の日から、9月第1週までは夏休み期間としたが、冬休みはクリスマスから1月4日まで。春休みは、3月28日から4月3日までと冬休み、春休みが短い代わりに夏休みがアメリカ同様2か月となった。2月第1週は、毎年ブリザードがあるため休みとなることが多い。
小学生のランドセルも禁止された。骨格の定まっていない幼児期に思い負荷を掛けるのは拷問以外の何物でも無い!
基本的に、小学生は教科書を学校に置いて帰宅する。
小学校の内は、基本的な勉強に留め、夕方は各地のスポーツクラブで体を鍛えることを主にしていた。もちろん、学習塾に通う子も居るが。
小学校は、倫理道徳教育が徹底された。ARGAMAでは、12歳から犯罪者は罰せられるし、銃犯罪であれば実名報道される。
幼少期には、マット運動とスイミングが特に奨励された。各地にあるスポーツクラブにはレスリングマットが必ず有り、そこで徹底的にマット運動を習う。ARGAMAの子は、受け身が取れ、バランスが良い子が多い。
スイミングでは、着衣スイミングを実施し、北欧並みに水での事故が少ない国となった。
中学・高校においても、消費者教育や犯罪教育が行われ、社会に出た時に諸々の犯罪に巻き込まれないことを主眼においた教育がされた
。
これにより、教師の大胆な配置換えが行われた。
部活が、各地のスポーツクラブに移行されたため体育教師が有り余ることになった。
また、ブラスバンドなどの文化部の顧問教師もである。
体育教師は、スポーツクラブの指導員になるか、ARGAMA POLICEになるかの選択を迫られることになる。
スポーツクラブの指導員になるには、テストがあり、パワハラは勿論のこと、喫煙者もオミットされた。
文化部の顧問教師も文化教室を自分で開くか、各地の地域での文化教室の講師になるかの選択を迫られた。
当然、教師たちは反発し、それまで無視していた組合に入り、団体での抗議を続けた。
ARAGAMA政府との話し合いで
「我々は、今まで教育に尽くして来ました。それを踏みにじるのですか!」と声を荒げた。
「部活動というのはですね、立派な教育の一環なんです。ちゃんと学習要綱に書いてあるんです。文化省のですよ。友達と一生懸命活動することは何ものにも代えがたいものです!」
それに対し、担当官は「教育指導要綱には、バカしか教師になれないと書いてあるようですね」と発言し、会場は怒号に満ち溢れた。
「いいですか? 皆さん、皆さんが中高6年間で教えた教え子は、英語が話せますか? 部活動は何物にも代えがたいもの? あなた方が指導した子達は、オリンピックに出ましたか? プロ野球選手になりましたか? NHK交響楽団の団員になりましたか?」
「それは……」
「そうですね。部活動は、先生方の主の仕事では有りませんね。従の仕事を無くし、主に専従していただきます。また、毎年夏休みの3週間は研修期間といたします。研修の終了と5年に1度の更新には簡単なテストを実施いたします。いえ、教員になられる様な方たちであれば不合格になることはありません。どこかであったようなコネで教員になられた訳では無いでしょう?」
と、首相がアメリカから連れてきた妙に日本語が上手い担当官は言った。
鞭だけでは無く、飴も用意された。教員はじめ公務員は給料が1.5倍に引き上げられた。国家公務員どころか、東京の一流民間企業より上だと言われるほどに。
また、ARAGAMAでは、年収600万円までは所得税免除。年収2000万円までは,
所得税率10%としたため、実質的には倍近くまでになっているのでは言われた。所得倍増計画は既に一部で達成されていたのかも知れない。
因みにARGAMAには、市民税は無い。もちろん、消費税も撤廃された。
中高の授業は、東京の一流予備校と提携しオンライン授業も導入したことから、教員として残れた者は半分ほどであった。所謂、ホームスクールも認められた。
残りの教員は、ARGAMA政府職員となるか6つの市役所で働くかだ。政府職員も各市役所職員も、毎年の評価で不適当と判断された者は席を追われることもあった。
公務員の組合活動は禁止され、教員の組合に関しては反カルト法の対象となっている始末だ。
しかし、決して夜警国家と言うわけでは無く、自由で治安も良く給与水準も高いため、日本どころか海外からの移住希望も多かった。
しかし、市民権を得るのはモナコほどでは無いが、アメリカよりも厳しいと言われている。
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