自慢じゃないけど、ペーパードライバーです
自慢じゃないけど、ペーパードライバーです。
大学時代に自動車学校で免許を取得して以来、一般公道を車で運転したことがありません。
前の支店では地下鉄で通勤することが出来ましたが、今度の支店は名古屋市近郊のベッドタウンの中にあり、公共交通機関が今一つ充実していないので、致し方なく片道約一時間かけて自転車通勤をしています。
僕は安価なマウンテンバイクに乗っています。基本的に車道は走らず、自転車の通行出来る歩道を走ります。
歩道を走っている時に困るのが、道の真ん中にいる歩行者です。通れません。
最近の自転車は車輪の音も静かだし、歩行者の中には耳にイヤホン突っ込んで音楽聞いている人が、かなりの確率でいるから、なかなか後方の自転車の気配に気が付いてくれません。
そんな時には、ベルを鳴らせばよかろう、ベルを、って話なのですが、いやいや、自転車のベルって、ためらわず鳴らすのが普通なのでしょうか。僕は無理。絶対に鳴らせない。
あのかん高く響き渡る、チーンチーンという警笛音が、僕には、どけー! どけコラー! というチンピラの脅し文句にしか聞こえません。
チーン! (どけコラー!)
チーン! (邪魔だオラー!)
チーン! (ドタマかち割って!)
チーン! (ストローで!)
チーン! (血ぃチューチュー吸うたろかー!)
や、や、や、やめてよもう。何でああ威圧的かつ戦闘的に鳴るかねえ。天下の歩行者様が、ほんの一瞬でもご不快になられたらどうするのよ。
その点、昭和のベルは謙虚でしたよ。
ジリンジリン。(きゃはっ、すいまっせ~ん)
ジリンジリン。(うはっ、しがない軽車両が通りま~す)
これ鳴らしている意味あんの? ってな感じで、実にいい味を出していました。
そんなこんなで僕は、道の真ん中に人がいて自転車が通れない時は、とにかく先ず一度自転車から降ります。
そして次に歩行者の後方で歩行者が僕に気付くまで、無言で自転車を引いて歩きます。
あとは歩行者の横を通り抜けるタイミングを、ただひたすら伺うのです。
そうこうするうち大抵の人は、いずれ後ろの僕の気配に気付いて、道を譲ってくれるのです。




