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一 ゆめ
それは突然現れる。
いつも同じだ。
何の前ぶれも無く。
何の伏線も無く。
フリルのついた黒のワンピース。
腰まで届くほど長く、闇よりも黒い髪。
そして何よりも――。
わたしは怖かった。
その少女の表情はまるで。
そう、まるで機械だった。
恐ろしいほどに無表情の。
いやそうじゃない。
彼女は笑っていた。
凍るほど冷たい目をして笑っていた。
わたしはこの少女を知っている。
だけど思い出せない。見つけられない。
彼女に出会った記憶を。彼女との想い出を。
それは突然現れる。
わたしの夢に、なんの断りも無く。
そして最後はいつも同じだ。
彼女の足元に無数に転がっているもの
それは――。