STEINS;GATE
5pb.によるアドベンチャーゲーム。アニメシーンを用いて作られたエリート版をプレイ。
主人公岡部倫太郎は偶然、過去にメールを送ることが出来るマシーン・電話レンジを開発してしまう。それが引き金となり引き起こされる様々な出来事。それは幼馴染の椎名まゆりの死という最悪の結末へと繋がっていた。その結末を回避するために、岡部は電話レンジを改良して作ったタイムリープマシーンを用いて何度も過去をやり直す、といったお話。
結論、紅莉栖が可愛い。ほんとに可愛い。
2010年ごろに制作された作品だけあって、王道のツンデレヒロイン。その頃にオタクになった人間にはぶっ刺さること間違いないだろう。私も正面から心臓を刺されました。
非常によく練られたSF系のストーリーでタイムトラベルもの。主人公が何度も過去をやり直すことで最上の未来を目指していく系。最初は中二病全開で痛々しさを感じさせる岡部が、まゆりを救うために奮闘するその姿には胸を熱くさせられた。
作品の根幹をなす世界線理論は、非常にワクワクさせられた。未来からのタイムトラベラー・鈴羽によって提示されるタイムトラベル理論。それは世界は多数の世界線によって構成されており、それがいくつかのタイミングで収束するといったもの。現実の物理学を用いたうえで、緻密に練られた設定はファンタジーながらもリアリティがあり、プレイヤーに違和感なく受け入れられるものであると思った。タイムトラベルものにつきものな、バタフライエフェクト、タイムパラドックスなども上手く回避、調整されていて、隙がない設定であった(にわか知識のオタク相手には)。
ただ、ゲームとして見るならばいくつか物足りない点も感じられた。
まず一つがボリュームである。全ルート制覇のトロコンまでして、かかった時間は25時間程度であった。正直これは物足りなさ過ぎる。
次に分岐の少なさである。これは上記にも関係するが、ほとんどルートの分岐が存在しないのだ。分岐すれば、それはそのまま即個別ヒロインのエンディングに繋がっていて、ほとんど一本道のストーリーなのである。折角のタイムリープものなのにこれは少しもったいないように感じた。
これはそのまま選択肢の少なさにもつながっている。つまりプレイヤーは自分で選択している感が非常に薄いのだ。ゲームをしているというよりは、アニメを見ている感の方が強い。
個別ヒロインに関しても、紅莉栖とまゆり以外の三人のエンドは、主人公が仕方なく選択肢がないからそのヒロインと落ち着くだけのものなので、盛り上がりもなく、ただただそういう世界線もあったよというだけのものになってしまっている。まあ正直バッドエンドみたいなものなのでそれでもかまわないのだが。
総じて、ゲームとして見るならば物足りない点があったが、ストーリーにケチをつけられる点があろうはずもなく、ヒロインも非常に可愛いくて、素晴らし作品であった。続編も早くやりたい。