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国家機密

「デデデデーン!…と言うわけで忘れ去られたギア登場です!あれ?何でそんな反応なんですか?」


何故か静かにギアを見ている三人。視線には若干の呆れも混ざっていると感じだのは気のせいだろう。

ツバキが固まったままに口を開く。


「うん?驚いてたよ。」


「じゃあもっと大きくリアクションくださいよ。」


ぶーと口を尖らせているギアは、鳥に乗った状態だ。勿論コアである。どうしてそうなったと、三人の叫びが一致した。

少し前までは蛇だったはずが、何故か鳥になっている。回転が速いこと。さらに、丁度気づいたときなる登場。何処ぞのヒーローのようだ。

ツバキたちは表情にこそ出していないが、あまりにもぴったりすぎる時に内心驚愕しているのだ。


「…存在自体がギャグみたい。」


「それ貶してますよね?ボクなんでそんなに貶されるんですか?褒めてくださいよ。」


「よし、行くか。」


「そうだね。」


レンが再出発すると、それに便乗してツバキ、サリエルドと続いて去っていく。ポカーンとポンコツ組が呆気にとられたように見た。


「…え、スルーなんですか!?」


理不尽な扱いに声を上げると、諭したような言葉が聞こえる。


「ギアくん…私たちはそういう運命なのよ。」


「コ、コアさん、頑張りましょう!諦めたらそこで終了です!」


「何でそのネタを知っているの!?」


「仲間の誰かが言ってました。」


異世界の文化は地球に侵食されていた。


「い、異世界が…」


ツバキの夢がガラガラと音を立てて崩されていく。思わず立ち止まり、がくりと膝をつく仕草をする。非常に器用な事だ。

レンがツバキを慰めようとして…思い出した。


「それよく副隊長が言っていたことだ。」


「マジか。」


異世界に夢を持つのは良くない。ツバキは心に刻みこんだ。


「いやあ元気でいるといいな。あいつは暑苦しいが、生真面目だったし泣いた女の面倒を見てくれるし。…いや、数百年生きて独身だっていっつも馬鹿にして来たから、心配する必要なんてないか…。」


所々気になる発言があったが、ツバキは鍛えられたスルースキルで聞かなかったことにした。

サリエルドが、遠くに想いを馳せた。


「ああ、『ジョニー』?ジョニーは働き者だったねー。兄としては成長が嬉しいよ。」


うんうんと頷いているが、黙っていないのがレンである。指をさして噛み付く。


「お前兄貴としてちゃんと面倒見ろよ!?いっつも俺に引っ付いてくるんだからな!」


「エルに弟っていたの!?」


「まあ王族だから。あとは妹も居るよ。…何その目。」


「一番上なんて有り得ない…エルは弟に見える。」


「それどういう意味?」


「普段の行いを省みましょう。」


ツバキが言うに、日常の態度が弟に見えるらしい。サリエルドは溜息をした。


「…まあ、間違ってはないよ。」


「うん?」


出てきたのは弟妹だ。何故肯定したとツバキは首をかしげた。

そして国家機密をサリエルドは話す。


「これ秘密だけど王じゃなくなったからもう良いよね?僕の父には隠し子がいて、兄が居るんだよ。」


全員が固まった。

はじめに硬直が解けたのは、やはりというかレンである。聞いたこともない情報に、戸惑っている。


「…は?なんだそれ、聞いたことないぞ。」


「だって箝口令敷かれてたし。知っている人も王族以外だと宰相だけだよ。」


「成る程。」


と二人が納得している中、ツバキは顔を青ざめていた。果たしてこれは第三者たちが聞いて良いものか。否。真っ先に極刑である。


「…じゃないよね。え、そんな大事なこと私たちに言って良いの?」


「大丈夫。僕はもう王じゃないから!」


グッとサムズアップをするサリエルド。取り敢えず数人が現実逃避をしたとだけ言っておこう。だがそのう内の一人は二重の意味で、だったが。


「エルさんが、王だった…どうしよう、僕知らずに…」


「だから元だって。黙っとけ、クソガキ。」


「ねぇ、なんでそんなに辛辣なんですか!?ボク何かしましたっけ!?」


「大丈夫?記憶、大丈夫?」


「…なんでそう本当に心配している顔なんですか?泣いて良いですか?」


ギアはまったくもって心当たりがなかった。だが、ツバキたちからしたら、メリットもなく頼みごとをしてきた人を優しく迎える気などないのだ。

三角座りをしてしまったギアを、羽毛が優しく包み込む。


「ギアくん、私の胸を貸してあげるわ。」


「「「無理だよ(だろ)」」」


三人に冗談は通じなかった。

そんなこんなでわいわいと地下都市の上に到着した。


ギアがここだと言い、地面に降りる。ツバキは地図と同じ場所であったので素直に足をついたが、何もない風景に怪訝な表情を浮かべる。


「…何もないけど?」


「そりゃああからさまにあったらバレますから。…『獣の誇、ここにあらん』」


言葉が呟かれると同時に、大地が蠢き階段の姿を現した。

ツバキたちが息を飲む。ギアが髪を掻きながら種明かしをした。


「これ、亜人の血が流れていないと使えない魔法で、だから絶対に知られていない筈だったんですが…」


「…なんでこれは知っていたんだろう?」

雑なので明日書き直します

6/1少し修正。時間が空き次第また修正をしたいと思います。ストーリーは変わりませんが、内容は増えるかもしれません。

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