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4話

昼の鐘がなる少し前にはギルドから声をかけられた10名程が既に集まっていた。ギルドから推薦されるだけあって流石に誰も遅刻するような馬鹿はいないようだ。

そんな中の一人が俺の方へ向かって歩いてきた。


「ディア!やっぱり来てたんだ!」


「アルムも呼ばれていたか。俺はあんま乗り気じゃないんだけどな」


話しかけてきたこの鎧を着込んだ小柄な女性は依頼で一度パーティを組んだ仲だ。小さな体見合わない大槌を武器としてパーティでは攻撃の主力として参加していた。


同じくソロの冒険者ということで話も合い、当時のパーティの中で親しくなった。ソロの冒険者には団体行動できないような何らかの理由、例えば性格に問題があったり、前科持ちであるなどの厄介ごとを抱えていると考えられているため、同じ冒険者からも敬遠される傾向があるのだ。

そんなわけで、同じ境遇同士たまに会っては情報交換等を行なっていた。


「今回のこの招集に関して何か知ってる事ある?どうも厳重に情報を止めてるみたいで、ギルドの説明以上のものを誰も知らないんだよ」


やっぱりか。俺もこの日まで情報屋を当たってみたり、噂で広まっていないか情報を集めようとしたが気味が悪い程何の手掛かりも無かった。


「俺も同じだ。あちらさんは何をそんなに隠したいのか…」


「あっ、来たみたいよ!」


アルムに言われ、訓練場の入口には受付嬢とその後ろに二人の男女がいた。

訓練場に受付嬢の声が響く。


「皆さん招集に答えてくれてありがとうございます。こちらにいらっしゃるのは今代の勇者セイラ様とそのお連れのオーディル・カイロ様です」


その紹介に俺を含めた冒険者達は驚愕する。どうりで情報が集らないわけだ。

今代の勇者が既に召喚されているなんて広まると大騒ぎになるぞ…その連れのオーディル家は人族領の三本指に入る大貴族だ。情報操作なんて簡単だろう。


「ここに集まってくれた事に重ねてお礼申し上げます。私は今代の勇者、セイラと申します。ギルドにはこちらが認めた者に指名依頼による護衛を依頼するという形でお話するようにお願いしていましたが、護衛というよりは私の仲間として魔族領域の探索を共に行ってもらうことになります」


続いて隣にいるオーディル家の男が口を開く。


「既にわかっていると思うが、勇者の召喚については他言無用である。情報を漏らした場合、国から何らかの制裁あると思ってくだされ。とはいえ、ギルドが集めてくれた方々なのでそこまで心配しておりませぬ。今の所まだ広まっていないようでありますし」


もしこの情報を外部に漏らしたら国からの制裁を受けるだけでなく、ギルドの顔に泥を塗ったそいつは冒険者としてもやっていけないだろうな。冒険者をやっていると守らなければならない秘密なんて山程出てくるし、そんな前科を持ってる奴に信用なんてあったもんじゃないからな。


「本日の皆さんの模擬戦のお相手はセイラ様が直接お相手をします。そしてその中でセイラ様とカイロ様に認められた者に依頼を出します。事前にこちらで事情を把握している面々は招集メンバーから外していますが、何らかの事情があって長期間の旅をできない方は今私の所までお願いします」


受付嬢の言葉にアルムが俺の方を向く。


「今なら適当にでっち上げて逃げられるんじゃない?」


「いや、ギルドに睨まれるのは御免だな。変に目をつけられないように程々に頑張るとするさ」



数秒待ち、俺達が辞退する気がない事を確認した受付嬢が口を開く。


「いらっしゃらないようですので、早速模擬戦を始めていきます!」



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