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世界再編と犠牲の勇者譚  作者: 人生依存
プロローグ
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プロローグ

 



 かつて世界は再編された。



 西暦の末期、或る日突然1つの国から全ての武力が完全に消え去った。当時の世界の主要国各国が互いに武力を蓄え、今まさに人類史で三度目となる世界大戦というものが起きようとしていた時、其の国に大きな爆弾が落とされた。


 今では‘キノクニ’と呼ばれる其の島国は、武力というものを持っていなかったわけではなかった。来るべき大戦へ向けての武力を確かに保持していた。だが、そのすべてが意味を成さなかった。


 ‘ソレ’は空から降ってきた。


 なんの前触れもなく、ものすごい速さで落下してきた。

 爆風はもちろんのこと、熱が尋常ではなかった。すべてが溶け落ちた。


 一国が焼かれる一連の様子が全世界のニュースで中継され、この出来事を世界は‘天撃てんげき’と呼んだ。神の意思だとわめき散らした。


 馬鹿馬鹿しいと思うが仕方がない。落ちてきたのはかつて其の国を攻撃したものよりもはるかに大きな原子力の爆弾。そして、その爆弾はどの国も発射していないものだったのだ。 



 天撃から3年後、キノクニからとある生物が発見された。


 人間の子供くらいの背丈でコケのような色の肌を保ち低く潰れた鼻が目立つその生き物はゴブリンという名前が定着するまでに時間がかからなかった。


 そして、そのゴブリンが発した言葉により世界から人間同士の戦争が消え去った。

 ゴブリンはこう言ったのだ。


「魔王サマ」


 ただそれだけだ。空を指差してただそれだけのことを言った。それだけのことで人間同士の戦争が止まってしまうほど人類は神経質になっていた。


 実在するのかわからない魔王と言う存在に備え、全ての国がより一層の武力を整えた。


 そして再び、天撃があった。一度目の天撃からは実に10年後の出来事だった。



 結論を語ると193カ国の全ての国が壊滅した。その多くの国が更地になり、人も建物も何もかもが溶けて消え去った。


 天撃によって壊滅状態になった国は確かに多かった。それでも一部の国は生き延びた。全滅を免れ、都市や軍事力などもなんとか残っていた。なのにどうして193カ国全てが壊滅したのかというと、奴が実在したのだ。


 存在が疑われながらも皆が確かに怯えていた、魔王というものが存在していたのだ。


 そうして、魔王やその手下によって追い打ちをかけられて全ての国が壊滅した。




 天撃と魔王軍襲撃が重なったこの出来事は再編と呼ばれた−





 世界再編と犠牲の勇者譚−開幕


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