ジャッカル唯一の問題児01
「んー……タツキの奴、緊張してんのかな?」
なんか怖い顔をして国王と会話していた。国際戦は初めてだから、仕方ないっちゃあ仕方ないんだろうけど、なにか緊張をほぐしてやるいい方法はないものだろうか。
「にしても、あっちの女の子は肉ばっかりよく食いよるなー」
周りからドン引きされているにも関わらず、まったく気にする様子もなく肉という肉にかじりついていた。でも、美味しそうにいっぱい食べる女の子は好きよ、俺は。会話する機会があったら告白しちゃおっかな。ぱっと見断られそうだけど。
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「それがどうしてこうなった……」
「なにが、かしら?」
「ジャンク訓練所の女生徒とコンビ組める可能性が高いっていうから、どんな不良が出てくるか期待してたのに、なんでお前みたいな優等生もどきなんだよ……せっかくジャンクを引き当てたってのに、俺の夢を壊さないでくれよ……冗談キツいぜ……」
「私はれっきとした優等生ですが、なにか?」
「なんでもありませーん」
この礼儀のなってない男は……ジャッカル唯一の問題児か。てっきりもう退所処分になっているものばかりと思っていたのに、よくあの堅物ジャッカルで卒業認定を貰えたものだ。
「あなた、何席でしたか?」
「ん? 七席、狙って取った。ラッキーセブンって感じでカッコイイじゃん?」
「なぜ私が七席なんかと……私は次席よ? せめて、最低でもジャッカルの四席、それかジャックの六席までが礼儀というものでしょう?」
「あ、自分たちが主要訓練所の中で一番下っていうのは認めるんだ。さすがはジャンク、魂に染みついてますな」
才能のジャックも、頭脳のジャッカルも、こうしてお高くとまっているところが気に食わない。人数が多いだけでなんのとりえもない私たちを、ナチュラルに見下していやがる。
「最低でもと言っているじゃありませんか!! 少なくとも、実戦でジャンクがジャッカルに劣っているとはこれっぽっちも思っていませんわよ!? 頭でっかちなジャッカルは、重力に負けてこうべを垂れていればいい!!」
「はっはっはっ、効かんねぇ。おいらはジャッカルで唯一の問題児という異名で呼ばれてんだ。あいつらの中じゃ一番軽いぜ。なにせなんにも入ってないからな、頭空っぽ」
よりにもよって、なぜこんなジャンクでも不良筆頭になれそうな男がジャッカルに入所できたのか、そして退所させられなかったのか――あそこの所長は、覇王ジャックよりも考えていることがわからない。




